■■ASIA TOUR 2021-2022 A セットリストと スクリーン映像の謎解き■■ | 全ての道は Ayuに通ず  ~All roads lead to Ayu~ 

ayumi hamasaki

ASIA TOUR 2021-2022 A
-23rd Monster-

 

セットリストと

スクリーン映像の謎解き




 

※ネタバレ記事になります











2021 10/2-10/3 

幕張イベントホール
セットリスト



 (オープニング映像)
・Dreamed a Dream
・Last angel 
・A Song for XX

・Real me
・Like a doll
・NO FUTURE

・Sexy little things
・Fly high
・STEP you

 (Ayu-ro & AyuTranceメドレー)

・Pray

 (neverending dream)
・Petal
・Memorial address
・Last Links

・My Way
・メドレー
  Movin'on without you
  Feel the love
  Many Classic Moments
  Connected
  Naturally
  Merry-go-round
  rollin'
  Sparkle

 (23rd Monster MV 続編映像)
・23rd Monster


--アンコール--

・SURREAL
・evolution
・MY ALL



(Like a doll、NO FUTURE、Petal、My Way がおそらく初歌唱)

(Prayは2015TAツアー以来?)
(Last Linksは2010ロックンロールサーカスツアー埼玉公演以来?)





スクリーン映像の謎解き

【オープニング映像】
あゆが宇宙の彼方から地球を見ている場面。
彗星の波動のような状態になって地球へダイブ
(あゆが黄色っぽい波動、ダンサーズが青っぽい波動)
そして地球(LIVE開催地)に着陸/降臨して
そのスクリーン映像の衣装で地球儀と共に
1曲目のDreamed a Dreamで登場。

これが表すものは、
あゆと一座は、
地球外から歌を届けるために、
エンタメの夢のステージを届けるためにこの地球(ほし)に降り立った存在ということ。

ここまでがオープニングムービーから1曲目の登場までの内容。

(※そして2曲目以降~本編ラスト場面までの内容はここでは割愛)



【本編最後の映像】
本編最後の曲はツアータイトルにもなっている23rd Monsterなのだが、
曲が始まる前にスクリーン映像がある。
このスクリーン映像は23rd MonsterのMVの一部の特定の場面が次々と映し出され、
そこにスタッフロール的な文字が出てくるというもの。
MVの一部というよりは、MVの続きの場面と言った方が正しいかもしれない。
そしてMVの続きの場面の流れで印象的に映し出されるのが、
画面の中に閉じ込められたモンスターのあゆが画面から出てくる場面と、
MVの最後の場面の石像の場面である。
石像の場面がホワイトアウト的に光って終わった後、その白い空間をあゆとダンサーズが歩いてくるというもの。
そして映像はここで終わり、ステージ下から一座がせり上がってきて
本編最後の曲である23rd Monsterを歌い始める。

この映像の中の白い空間からあゆとダンサーズが歩いてくる場面と、ステージで23rd Monsterを歌う時の衣装は同じであり、
またオープニング映像と1曲目のDreamed a Dreamを歌う時の衣装も同じ、
そしてオープニングと23rd Monsterのくだりが、どれも全部衣装同じである。


ここまでの流れで言うと、
オープニング映像からの1曲目→23rd MonsterのMV→本編ラスト場面の映像からの23rd Monster
という一つのストーリーの流れが出来上がっている作りになっているが、
ここで最初の映像と最後の映像は衣装や姿が同じであるものの
途中経過の23rd MonsterのMVの所だけ衣装や姿が違うのがポイントでもある。


では、 そこだけ姿が違う23rd MonsterのMV は何を表しているか。
これは、人々から怪物扱いされて人里離れた古城に隔離/幽閉されて封印された存在 ということを表しており、
画面の中にあるあゆは、封印されてもがいているあゆの状態を表し、MVの最後に出てくる石像は幽閉されたあゆと一座がまとめて石化されて完全に封じられた状態を表している。
衣装や姿がここだけ違うのは、 "人々から怪物扱いされた存在" の状態を表していたということ。

逆に言うと、オープニングと23rd Monsterを歌う時の姿の方が怪物扱いされていない本来の姿ということでもある。


これをストーリーの流れで追っていくと、
夢を届けるために地球に降り立った存在であったはずが、
いつの間にか世間に牙をむくモンスターのような存在として扱われることになり、
人里離れた古城に隔離されて封印された。
そして自らその封印を解き、また夢を届ける存在として活動を再開し始めた。

というストーリーが浮かび上がってくる。




【スクリーン映像が表しているもの】

結論から先に書くと、

この映像のストーリーが現実世界を暗示して表現しているものは、

ウイルス感染騒動とあゆ本人やエンタメ事業が受けた影響、
それに対してあゆが感じていたこと

である。


【Monster(怪物)という存在が表しているもの】
ウイルス感染騒動により、LIVEやエンターテインメントがまるで悪者扱いされ、
悪の存在、つまり怪物のようなものとして世の中から扱われることになってしまったということ。
騒動が始まって間もなく、あゆのホールツアーは最初の2公演を終えた後に
早い段階で中止して安全策を取ったが、
他アーティストはその後も粘ってLIVEを開催していたケースもあり、
それに対してまるでアーティストを人殺し扱いまでするような心痛むようなコメントまで横行した。
歌手やアーティストがLIVEをやったら人殺し扱いされるという現象を見て
今私たちはまるで人を襲う怪物のような扱いをされている、
とあゆが感じたことが23rd Monsterのテーマになったのではないだろうか。
この "世間から怪物扱いされている" というのが、まさに歌詞の中に出てくる
It's called A Monster という言い回しだろう。
自分で、自らの意思で怪物になったのであれば  I'm A Monster や born to be A Monster のような言い回しになりそうだが、
It's called A monster だと、
そう呼ばれている、世の中からはそういう存在として扱われている、という意味に寄ったニュアンスということになる。
そして、アーティストを殺人者扱いまでしてしまう、 "いきすぎた正義" もまた怪物なのではないか
You're also A Monster という言い回しがそれを物語っているような印象もある。



【23rd MonsterのMV】
怪物として人々から恐れられ、避けられ、人里離れた古城に隔離され、石像や画面の中という形で封印された
という内容だというのは先ほども書いたが、
人里離れた古城に隔離されている状態が表すのは、
アーティストやエンターテイナーは人の前に出て何かをやってはいけない
人の目に触れない所でおとなしくしていないといけない
という昨年の状況を表し、
石像や画面の中に封印された状態が表すのは、
LIVEやエンタメ事業が封印され、アーティストたちは封じ込められて身動きが取れない状態になったことを表している。



【封印された状態】
この封印された状態というのをMV内では2通りの表現で表しており、
一つが石像化された姿、
もう一つが画面の中に封じ込められてデジタル化された姿、である。


この封印された姿が2通りで表現されているのは、

身動きができない状態にされてはいるが、画面の中の映像としての存在だけ身動きができる
ということ。
これを現実に置き換えてみると、
エンタメ事業は休業を強いられることになり、LIVE活動は封じ込められて身動きができない状態ではありつつ、
オンラインLIVEという画面の中での形で活動することは認められた世の中ということを表している。
石像化された姿は現場でLIVEをすることが封じられアーティストが身動きが取れないことを表現しており、
画面の中に封印された状態だが画面内の映像としてだけ身動きができるという場面は
オンラインLIVEだけが許された世の中ということ表現している。



【封印が解けたあゆと一座】
23rd Monsterを歌う前のスクリーン映像で、あゆが封印された画面から出てきて石像化から解放されて動き始めた場面は、
オンラインLIVEに限定された世界から現場のLIVEやツアーの世界に戻ってきたということを表し、
今まさにここ(今立っているLIVE会場のステージ)に舞い戻ってきたということが表現されたもの。

ここで衣装や姿がMonster仕様だったのが、またオープニングムービーのきらびやかでスッキリした姿に戻ったのは、
エンタメ事業が世間から悪者扱い(怪物扱い)された時期がようやく徐々に解除されてきて、
アーティストやエンターテイナーが悪者(怪物)扱いされる風潮もだんだん解けてきてようやくアーティスト/エンターテイナーとして表に出れたことを表している。
また衣装だけでなくダンサーズの振り付けの一部の印象的な部分もMVとツアーとで変わっている。
MVの最後でダンサーズが腕をぶらっと下げて左右に揺れるゾンビダンスのような振り付けがあるのだが、

今回のツアーではそのゾンビダンスの振り付けがなくなり、他の振り付けに変わっている。
舞浜のLIVEではMVの内容を表現した内容だったので舞浜の時点ではこのゾンビダンスはあった。
これも映像のストーリーと関連しており、MVや舞浜ではまだMonster状態だった表現だったのが、
今回のステージでは怪物としての存在から脱却し、エンターテイナーとしての存在でステージが表現されているので、
ゾンビや怪物を彷彿とさせる振り付けではなくなったということだ。
よく見たらもしかしたらMVや舞浜のバージョンと振り付けが全体的に変わっている可能性もあるので、
ダンサーズファンの方はMV/舞浜バージョンと今回のステージでの振り付けの表現がどう変化しているのか見比べてみるのも面白いのではなかろうか。



【ツアーのサブタイトル】
オープニング映像→23rd MonsterのMV→本編最後パートのスクリーン映像
で表現された内容の謎解きは以上となるが、
要するにあゆが感じていたことは

ウイルス感染騒動からエンタメ事業は追い込まれ、
不本意ながらもエンタメ業界は世間から悪者扱いされることになってしまった。
元々は人々に夢や元気を与えるために人生を捧げ、
業界が一丸となって頑張ってきたのに、急に人殺し扱いをされる存在になって
世間から追いやられる存在になってしまったエンタメ業界を見ていると、
どうにも違和感があった 
ということではないだろうか。

その違和感を新曲の歌詞や映像という形に表現し、思いを込めた。
そして、世の中の状況は徐々に好転し、エンタメ業界は人々に夢を与える存在であった本来の姿に戻りつつあり、
怪物扱いされた状況を打ち破ってやっとステージに戻ってきたという
現実で起きていることそのものが23rd Monsterの歌詞やMV、
そして今回のツアー映像に表現され、まさにそれがツアーのサブタイトルになっているということ。
それをオープニングと本編の締めくくりにストーリー仕立てで配置することで、
このツアーのステージ全体が、 "その思いがコンセプトになっている" ということを伝えている構造になっている。




しかし、世の騒動は完全に終結したわけではなく、
今でもエンタメ事業は慎重な展開を余儀なくされており、
エンタメ事業やその催しに参加することに対して今でも賛否分かれている状況でもある。
どの意見が正しいという絶対解が存在しない情勢である以上、
アーティスト自身の発言も慎重にならざるを得ない。
あゆもまた、それに関する明確な意見は公言していない、というかしづらい立場でもある。
だが、あゆが昔からテーマにしていた「歌の中でだけは自由でいさせて」
というのが今回もまた、まさに当てはまる状況ではないだろうか。
自分は人々に夢を与える者として存在している、そして自分だけではなくエンタメ業界全体としても
その灯を消すわけにはいかない。
だがそれに対して懐疑的だったり否定的だったりする人々も未だにたくさん存在している。
しかし夢のステージを再開させてほしいと待っている人々もいる。
誰も一つの絶対的な正解の答えは導けない。
ならば結末はキミシダイでありボクシダイである。
"ボク" の選択は、夢のステージを再開することである。
そんな様々な想いを抱えながら作ったツアーであろう、というのも
このオープニング~23rd Monsterまでのステージ映像の展開から伝わってくるものであった。



【総括と補足】
このBlob記事では、
映像の中の流れや要素と、現実で起きていることがいろいろ合致するので
おそらくこういうことを言いたいのではないか
という憶測の謎解きを文章化してみたわけだが、
曲や歌詞や映像で表現されていることはむしろ現実とは関係のない全くのフィクションかもしれない。
ストーリーの流れの時系列も、

MV→封印から解放→地球に降り立つオープニング映像 

という順番の可能性もある。


映像の謎解きとして、1つの説としてここに提示してみたわけだが、
実際の映像を見てどう感じるかは、まさにキミシダイ。
ここに書かれた説はそれはそれとして、
現場の空気を感じ、映像と歌とパフォーマンスを実際に見て
感じて考えた印象こそがある意味それぞれの正解かもしれないので、
ぜひ現場でじっくり見て聞いて感じていただくことをお勧めします。
誰かが言った説をそのまま事実とするのではなく、
自分で考えることが大事なので、この記事がその考えるきっかけになれば幸いです。
その『現場の空気感』こそが、あゆが最も感じて欲しい部分でもあると思うので。

 

 

また、この記事で触れていない、

全体のセットリストの意味などもこの映像のストーリーと関わってくる可能性もあり、

今回のツアーは今まで以上に選曲やステージの作りこみが素晴らしいので、

全体の内容をどう感じるか、ぜひ味わってみて欲しいと思います。