ブログを御覧いただきありがとうございます。津軽三味線奏者の佐藤壽治です。
≪過去記事≫
実は続きがありまして…わたしが考える組織の理想像というか、民謡界の理想像です。
腕前と芸歴うんぬんの話の前提に、最近流行りの言葉で言えば「マウント」というものがあります。
舞台には自分の立ち位置をどれだけ高められるかを競うことがあるので、どうしても人よりも上であることを第一に考えてしまう事があります。
しかし、そうなると面白くないんですよ。
楽しめなくなるんです。
音楽という文字にそわないんですよ。
ひとの上に立って気持ちがいいのなんて一瞬です。
上に立って偉そうなことを言う前に、あっという間に落ちる事を考え覚悟してほしいです。
自分の芸とはそれぐらいはかなくてもろいものなんです。
磨き上げて、研ぎあげてきたものですが、そこまでやったからダメな事もあるわけです。
理想は「突出した状態を永遠に」なんですけど、飛び抜けた分だけ選択肢は広く無数に広がり、なにを選択していいのかわからなくなります。
やればやるほど迷いが無くなるならいいですけど、やればやるほど迷うんです。
おもしろいですよね。
昨日推奨した事を今日否定する。
津軽民謡津軽三味線の世界って、そんな世界なんです。
自己賛美と自己否定の繰り返し。
行きつく先は堂々巡り、なーんて感じです。
そんな世界に次の世代の人たちは足を踏み入れるわけですよ。
では、先達者としてなにをしたらいいと思います?
とっととバトンタッチ。
私は自分が経験してきた事を隠さず伝え、さらにその上を目指してもらうために自分の立場もすべて渡してしまえばいい、と思ってます。
自分が学んだ事すべて、なんてのは簡単には出来ませんけど、新しい息吹や組織の若返りを狙うのであればそれが一番です。
自分と同じ道は歩むのですが、駆け足で通り抜けてもらわないと。
組織あるあるですけど、いつまでも上が居座って偉そうにしてても発展はしません。
存続もしません。
行きつく先は右肩下がりです。
わかった知識、経験にぶら下がるのではなく、どんどん配るんです。
受け取る側がどんな理解をするかはその人の責任であり、それが気になるなら監視すればいいんです。
それくらいの立ち回りは歴が長くなれば簡単に出来るでしょう。
老獪さ、というものの意味はそういうところに真の意味があるんだと思います。
よい流れを、よい空気を、よい縁を
わかった人が先導しなきゃ発展はありません。
「今、この子がね、いいんだよ、だからさ、応援してやってよ。頼むよ。」
こういうセリフを吐ける人って、今何人いますかね。
そういう人に会えたら最高ですよ。
最高だとわかるから、今はわたしがそうなりたいです。
ではまた。
≪過去記事≫