味 | 津軽三味線奏者 佐藤壽治の徒然日記

津軽三味線奏者 佐藤壽治の徒然日記

主に佐藤壽治の日記、重造会の活動など紹介。

宣伝活動、演奏やお稽古について書くこともありますが、大半は日々気が付いた事を書いています。

余計な記事は読みたくない方もいるとは思いますが、お付きあいよろしくお願い致しますm(_ _)m

先日頂いたお蕎麦。
とてもとても美味しく、あっという間に食卓から姿を消しました(´▽`)

蕎麦打ちを私も少しはするのですが、やはり上手な方が打つと味が違います。
同じそば粉から出来ているものなのですが、ハッキリと違いが出てきます。



『腕だよ、腕』



そんな言葉が聞こえてきました。
確かにそのとおり。
三味線も同じく、身体の使い方というかなんというか、口で説明するのが難しい何かが存在します。

同じ三味線を使い、奏者が変わると音が変わる。
そんな不思議体験を示してくれた名人がいました。

なんなのでしょう?
解明にはまだまだ時間がかかりそうです(´~`)





お蕎麦の話にまた戻すと、お蕎麦の味にも「地域性」が出てくると感じています。
その「地域性」があるから、その土地の味がしてくる・・・という感じです。

大きく変化がわかりやすいのは味付けですね。
福井と言えば「おろしそば」なのですが、この食べ方はじつは日本全国どこに行っても当たり前、というものではなくはやり「地域性」の詰まったものになります。


それ以外には蕎麦の切り方もわかりやすいです。

太いもの、細いもの、長いもの、短いもの。
口に入れた瞬間に伝わってくるものなので、味と同じく「地域性」を強く感じられるポイントになります。
うどんも一緒に考えるとよりわかりやすくなるのではないでしょうか?




この「地域性」は民謡にとって非常に大事なもので、言葉の『訛り』が味となり心に伝わってきます。



『人前で気をつけて標準語を心がける同郷もしくは近隣の人』
まずはここを想像してください。

相手が言葉に気を使っていることがわかりながらも、話の端々にちらりちらりと出てくる発音やイントネーションの違い。
「もしやこの人は・・・」

そう思ってしまうと妙に興味が湧き、ついついその人の話に集中。
そしてある時に生まれ故郷に関して質問をしてしまいます。
そしてある結論が心に出てきます。



「やっぱり故郷はいいものだ」



それぞれ想い出というものが違うので絶対はありませんが、標準語を綺麗に話している間はこういった感じは出てきません。
地元感を最大限に伝えられるものが訛り、方言だと思います。

その土地の唄にはその土地の訛りが出て当たり前で、その訛り、方言がその土地の味わいを作りだす。
そんなものが民謡には活きてこないといけません。

綺麗に唄って、上手に唄ってよりも大事な部分・・・音や言葉や振る舞いに出てくる何かを大切にしたいものです。







ちなみに私は黒石生まれの福井育ちなのですが、言葉は福井弁を操ります。

リスニングだけなら津軽弁も解読できます。
話す方はじゃぱにーずイングリッシュ程度。

さて、私の演奏にはどんな味わいが隠されているでしょうか・・・(´▽`)