姫路市安富町の室町期建築の日本最古級の民家。
神戸市北区にある同じく国重文の「衝原千年家」の方が学術的には100年くらい古い建築と見られて古井家住宅は日本で二番目に古い民家。
しかし、衝原の千年家は呑吐ダムで水没するために現在地に移転されている。
古井家住宅は建築当初の場所に存在する日本で最古の民家となる。
残念なことに文化都市姫路市域にありながら公共の交通機関で見学に行くことが実質不可能。
午前中に姫路からのバスが1本ありそれが30分後に折り返してくる。
千年屋最寄りのバス停で降りて千年屋に向かい一瞬見ただけで引き返さないと折り返しのバスの間に合わない。
それかこのバスで行きゆっくり五時間ほど千年屋に滞在すれば帰りの山崎行きのバスが来ます。それに乗って山崎まで行き姫路行き網干行きのバスに乗り換えるか安富支所のバス停で降りて安志のバス停へ歩いて姫路行きのバスを待つかです。
タクシーも選択肢ですが事前に予約しないといけないでしょうし料金も馬鹿にならない。
それ以前に千年屋に五時間滞在するわけにもゆかない。
姫路市では姫路城に次いで貴重な文化財と思います。最古級の民家として観光資源として活用も出来るでしょう。それなのにバスで行けないとなると近県以外からの見学は不可能に近い。
それと私見ですが建築当初からの場所に存在する日本最古の民家として他と比較したら林田の三木家住宅の百倍、網干の成金趣味の大正期の山本家住宅の一万倍凄いと思います。
三木家住宅のような17世紀に建築された民家は珍しいながらも全国的に見たら沢山あります。ましてや網干の山本家住宅などは京都や大阪にもっと凄い住宅が幾らでも存在します。首都圏でも戦災を免れた大邸宅が幾らも存在します。
同じ網干の河野東馬の旧宅とされる「あばら家」は古建築として貴重なためとして姫路市の文化財ですがこれと比較すると百万倍は古井千年屋の方が素晴らしいでしょう。
それが旧安富町時代の買収金額が土地付きで2000万円だったと聞く。単純に不動産としての価値で判断すると割高なのは確かです。
しかし、他に地方教協団体が買収する古民家と比較すると格段に安い金額です。最近は少し宅地も上昇気味ですが宅地の価値が最低水準の頃に解体して更地にすると考えた不動産価値が皆無に等しいような民家が文化財価値と言う名目で数億で買収されています。
興味のある方は情報公開制度を利用して買収価格の開示を請求して確かめて下さい。
古井千年屋は現存する室町期に民家としては国内に2軒しかないと学術的に言われています。それが僅かに2000万円で買収されて他の建物は文化財価値は認めたとしても姫路駅周辺の地下が高い所なら兎も角も不動産としての価値から判断して途方もなく高額な億を超える金額で買収されているのです。
現実には姫路市域のみならず全国的に19世紀前半以前の民家は多数存在して所有者は維持管理に苦慮されています。
成金趣味の大正期の山本家住宅よりも学術的に貴重な民家は姫路市域に多数存在します。それらも全て高額で買収するべきでしょう。
古井千年屋を2000万で買収されたことは志賀島の金印を地金価格で買い取るのと同じようなことです。