江ノ島の弁財天さま | 巡禮記(じゅんれいき)

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聖地先達がお届けする満たされるくらし

江ノ島に渡り、青銅鳥居をくぐって
商店街で賑わう参道をゆく道すがら、
元江島神社別当寺であった岩本院
改め、岩本楼という旅館があります。



巡禮記の江ノ島遠足では必ずここを
先に訪れて、岩本楼さんのロビーに
祀られている、
八臂弁財天様と十五童子様がた、そして
宇賀神像に手を合わせます。

※お写真は岩本楼さんHPよりお借りしました。



ご眷属の十五童子さまを従えたこの
八臂弁財天様の像は元々江島神社に
あったものだそうです。

別当寺として地域の人々の信仰を支え
守ってこられた岩本院の
本尊としておられる力のある弁財天さまです。


大きさにして50センチを少し超えるほどの
弁財天像なのですが、目の前に立つとその
迫力やお力を肌で感じてしまうのではないかと
思います。





八臂弁財天像の 8本の仏手には、

弓、箭、剣、宝来、輪宝、鉾、鉢棒、長杵を
持ち、武勇、戦勝祈願の神様とされています。


ちなみに、江島神社の奉安殿におられる
八臂弁財天様も、同じように
8本の仏手に剣や弓や蓬莱を持っておられます。

縁起では養和2年(1182年)奥州藤原氏を
討伐する際に、源頼朝が戦勝祈願として
文覚上人に命じ勧請したとのこと。


どちらの八臂弁財天様も、
男性である時の武将たちが
こぞって弁財天さまの信仰をもって
その身と武運を託し国を治めようとした、
その歴史を見てこられた仏様ですね。





弁財天様は古代インドの水(河)の神
サラスヴァティー」様が由来となっていて、
奈良時代に仏教とともに日本に伝わりました。

日本の七福神では吉祥天様と習合されたりも
しています。

※写真は江島神社・岩本楼さんページより


八臂弁財天様は
一面八臂の姿で女性としての悟りを持ち、

祈る人々に

・言葉(表現)の才
・あらゆる智慧
・才を磨いて成す財宝
・循環よき延命
・互いに生かし育て会える良縁

を与えて下さり、

・悪夢・邪気・呪術による縛り・鬼畜を
降伏する祓いをくださる徳をもつ
女性の諸天様として信仰されています。

 


弁財天様への祈願は、巡禮記ではよく、 

「女性が笑って美しく健康である」ために

今出来ること、そうあるための智慧を願う、
とお伝えしています。



女性が笑ってやれることは「才」だし
美しくあるように心身巡らせることも「才」
健康にいられる衣食住を整えることも「才」


つまり、その才そのものを生み出す
女性的な部分に対して、




才のサポートする環境を作ることや
才の変化に柔軟に対応する形を見つける、
才を創り出す材料を集める、活かす工夫をする、
才を伝える、表す、訳す、錬成する、
才を継続できる基盤をつくる、支える、
不要な物を壊す、離す、ならす、
整理する、考える、結びつける、重ねる、
新たな刺激となる新開地を拓く、見せる、、、

などの男性的な実行、行動力によって、

才はより活かされ磨かれて財となります。

財は一夜にしてならずなのですね^_^

岩本楼さんHPより


受け継いだと自覚する才、
誰かと出会うことによって生まれた才、
認めたらそこにあった才、
新たに湧いてきた才、それぞれに
どんな財に磨くかは自分次第。

なんのために、どんな風に、
それも、自分次第。



またその財は、今度は握りしめずに
あらゆるやり方、あらゆる智慧を借りて
目の前の人、周りの人に向けても惜しみなく
使うことで、




財は何度も何度も磨かれ、
磨き合い、


やがて自分のものか人のものかなんて
どうでもよくなるほどの光を放ってゆき、


お金や人のつながりや仕事や
豊かだなと感じる環境や物事など、
より財を活かせる豊かさを暮らしに集めます。




成功哲学でもなんでもなく、
元々ある才にまで立ち返り
自分が笑ってやれること、から戻って
磨き方の智慧を祈ることから。





岩本楼の
八臂弁財天様の前で、原点に立ち還り
胸の前でそっと手を合わせにゆきましょう。

女性の悟りをもつ、めちゃくちゃ現実的な
弁財天様の智慧を願いに。


巡禮記  松本育子

 
岩本楼さんHPより

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