観世音菩薩（観自在菩薩）さまは、観音様と親しみを込めて呼ばれ、昔からたくさんの人たちに信仰されてきました。
大慈大悲を以って人を救う菩薩さまで、如来様を目指して修行されている仏様です。
如来様になるための修行の中で得られた功徳で、観自在に心を生き、この世の中をありのままに観るお智慧を持っておられます。
一つの大きないのちを生きる悟りの智慧、大慈大悲を、人の素直な祈り願いという音（本音）を聞いて観じて、ただちに与え救う、仏さまです。
観自在の悟りの智慧から、私たちを救い導く観音様は、人の悩み苦しみ、不安や厄災などを取り除こうと、願い祈る人の声を聞いて下さいます。
人の願いはとても多様なので、たくさんの多様な姿に化身して、対応して下さいます。
如来さまになるまでの菩薩修行の間は、観音さまの名前を呼んで祈る、あらゆる人々の苦しみや悩みを救い続けること、を請願されています。
観音さまの人に対する哀れみ、お慈悲は、祈る人を「非力で弱い存在」とか「未熟だ」と決めつける目線ではなくて、
私たち1人ひとりにある、「仏性」「観自在」という可能性、に対していつも光を当てて下さる姿勢。
もう、すでに私たち一人一を仏（やがて観自在を悟る仏となる可能性）と観て、合掌されています。
もうゴールは知っておられるので、そこまでを智慧で助けて下さる存在です。
大慈大悲って、ズバリ「心配いらないよ、大丈夫よ」と安心させてくれる働き、落ち着かせる働きそのものだと思いますし、
一人一人が大きな一つのいのちを生きている、尊い存在なんだよ、という信頼を生み出し続ける源泉です。
私たち凡夫が勝手に無明（いのちへの信頼が見えなくなって、生きている喜びがわからなくなるような時）にいるときも、
まっすぐ祈る（生きる音を伝える）ことで、ずっと「大丈夫、心配ないよ」の光を、私たちの深いところに届けてくれる仏さまですね。
だから、巡禮記のお参り先達では
観音さまに祈るとき、
今の自分の心のうち、をそのまま
話していいし、悩みや辛いことや
苦しいことも助けを訴えていいし、
願って止まないことを素直に願っていいから、
今の正直な気持ちを、観音さまに
手を合わせて伝えるところから始めよう、
とお伝えしています。
その一つ一つに応じた、
観音さまの大慈大悲のお智慧は、
祈る人の暮らしの中で
人をして、物事をして、もたらされるので
祈りっぱなしではなくて、
お智慧を受けてどう行動するか？を
自分の人生の中でトライしてゆく繰り返し。
その繰り返しによって
あなたの「素」が輝き、
自分で自分に寛げる宝物になってきます。
あなたの道を思い切り生きられるよね！
一緒に、それをしよう！大丈夫！と
共にいて下さる観音さま。
巡禮記の遠足で訪れる観音さまを
大好きになってもらえたら、
とても嬉しいです。
巡禮記 松本育子
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