樹木の花の不思議

 

植物の一生。種から生まれて、栄養成長して、花が咲いて生殖成長に移り、種を作って子孫を残して、枯れる。草本は、生まれて一年で枯れるので、観察しやすい。植物生理学の実験も、ダイズとかイネとかアサガオとか、変化がわかりやすい草本。

樹木の時間は、ゆったりしている。樹木たちの4月頃に咲く花は、前年の夏から秋にかけて花芽を形成し、翌年の準備を始める。それは、すぐに咲くことはできない。そのため冬越しが必要となり、芽鱗を作って包みこみ、寒い冬を越す。そして4月を待って花を咲かせる。きゅうりのように、ぱっと花芽を作って、ぱっと咲いて、ぱっと収穫。だと簡単なのだが。(きゅうりの立場からいえば、虫を集めて受粉して受精していろいろ大変なのだが。雌雄異花だし。)

さて、ここまで書いただけでも、なぜ?と問えば、なぜとなぞだらけ。なぜ?がいまだ解明されていないこともあれば、文献や本を探せば、答えがあるものもある。

樹木の花の不思議。

 

さて、樹木の花。7月に入って、だんだん少なくなってきます。これから花を咲かせる樹木たち。君たちはいったいいつ、花芽をつけたのでしょう。4月に咲いた花とおなじように、前年から花芽を作って、ずっと待っているのでしょうか。

 

山道散歩。ヌルデ、コシアブラ、リョウブの花の蕾を見つけました。4月の新葉ともに、新しい花芽も作って、いま開花を待っているのでしょうか。もしくは、去年のうちから小さな冬芽の中に、花芽として準備していたのでしょうか?

細かすぎるでしょうか。小さな人間だと思われたくないので、この辺で。でも、このことを、この数日考えていました。文献も本も見つからず。きっと研究対象にもならないのでしょう。研究は、人の利益に直結するものでないと資金もでないし、前にも進まないということですね。植物でも、野菜や果樹は肥料、病害虫、農薬などよく研究されています。樹木は全体的に少ないようです。栄養満点、食べられる木とか出てきたら、研究が進むのでしょうか。

 

コシアブラ(ウコギ科コシアブラ属)落葉、高木、葉(掌状複葉、鋸歯縁)

つんつん花の蕾が飛び出しています。開花待ち。

早く開花して、冬ガ来る前に、受粉受精結実させ、種を作らなければ。

リョウブ(リョウブ科リョウブ属)落葉、小高木、葉(互生、鋸歯縁)

開花待ち。同上。

ヌルデ(ウルシ科ヌルデ属)小高木、落葉、葉(互生、鋸歯縁)

開花待ち。同上。