中高一貫校で中学入学が強い理由 | お受験ブルーズ

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現役講師がお受験を通じて世間を眺めています。
大手塾勤務→独立→プロ家庭教師と変わって来ました。(作曲・編曲、戦国シンフォニックメタルバンド「武士メタル~Allegiance Reign~」のベーシストとしても活動しています。どっちも本気です)

 現在、私立中高一貫校ではつぎつぎと高校入学を取りやめる学校が相次いでいます。特に進学校としての地位を確立した学校ほど、高校募集の人数を減らす傾向にあります。

 

 我が母校でも完全共学化したというのもありますが、現在では僕らのころよりも高校募集の人数自体が非常に少ないです。

 

 そして進学実績をみても、高校入学組よりもたいていは中学入学組の方が良い率をたたき出していることが多いです。これは進学校として成熟してくると、どこの学校でも言えます。

 

 この理由は実際に通ってみればすぐにわかります。特にここ10年くらいは中高一貫校用の教科書が次々と良いものができ、塾や予備校も中高一貫用にカリキュラムを組み直しているところも多いです。このあたりは以前の記事でも論じているところです。

 

 ポイントは中3の1年間をどうすごしているか、の違いです。

 

 僕も最近では高校受験を教える機会も増え、ずいぶん関東圏の高校受験に精通してきた自負はありますが、やはり「萎える」部分があるのです。

 

 やはり、言っては悪いのですが、中学内容は「基礎的」すぎるといえるのです。ほとんどがやり方を覚えてしまえばできてしまいます。しょーもない、といってもいいかもしれません。

 

 それは学問においてはほんの入り口、ツール(それを使って何かをするための道具)に過ぎず、それを中3期間に何度も繰り返すほど無駄に感じることはありません。いくら繰り返しても、勉強の本当の面白さや価値に気づくことはなかなか難しいと思います。それは深みを感じさせないカリキュラムだからです。(でもこれは現在の学制のシステムでは仕方がないことではあります。だから僕が中学受験を進める面もあります)

 

 しかも、中学受験のようにパターンから思考に到達するような高水準の応用問題といえるものは、早慶をはじめとしたほんの少しの高校でしか見られません。高校受験の勉強では、ほんとうに高度なものに触れる機会が少なすぎることがまず大きな問題点です。大学受験ははっきりいって、高度です。まずこのギャップを埋めるのはなかなか大変なのです。

 

 その間に中高一貫の進学校では、「体系数学」「トレジャー」などを用いて、さっさと基礎的な内容は進み、遅くても中2までには終わり、十分な演習量をもって、中3のころには、高1内容が終わるところも多いです。

 

 この間、たとえば我が母校では、ハイレベルな問題もじっくりする期間があったり、つまずきやすい数学では高校内容になると4ステップ(高校用数学問題集)でもう一度同じ分野をする、など、実は高校内容においてはじっくりやっている部分もあります。

 

 難しいものをじっくり、簡単なものはさっさと飛ばす、という実に合理的なカリキュラムができるのが中高一貫校の一番の強みです。中高一貫校にだけ通っている方はあまりの課題の多さにその有難みがいまいちわからないかもしれませんね(笑)

 

 また、中学受験生はどうしても親御さんの意識も高く、中学入学後もしっかりご子息に勉強をさせるご家庭が多いです。中学受験でかなり地頭を鍛え、さらにさぼらずにハイレベルカリキュラムをしていくのですから、当然に大学受験では有利です。

 

 たとえ、その学校の高校入試に落ちたとしても(たいていの学校では内部生も外部生と同じ入試を解きます)結局は大学受験では良い実績をたたき出しているものです。

 

 中3で中だるみでぶったるみ、まったくプレッシャーがない中で勉強していても、早稲アカなどで必死こいて勉強してきた公立中の子に勝ててしまいます。この現実はまだ厳然としてあります。

 

 もちろん、公立中あがりでも意識の高い子はいくらでも伸びていきます。下手に勉強慣れしていない分、爆発力もあります。が、中高一貫の猛者たちに追いつくには、2年、3年という計画で戦わなければ厳しいものです。それを知っておいていただきたいです。

 

 特にこれからは、関東の私立中高一貫校の子はサピックス、鉄緑会の台頭で上位層の平均レベルが上がっています。地方の県立高校の優秀な子といえど、こと東大などに関しては激戦が予想される、とぼくは踏んでいます。まあ、僕から言わせれば、欠点もあるのですが、表面的な学力ではなかなか勝つのは難しいです。

 

 さらに僕は、エリート予備軍の子供たちにはいいたいことも多いです。

 せっかく中高6年間を有効に使えるのですから、部活などもやり、勉強以外のこともしっかり体験して、幅広い視野をもつよい人材になってほしいと思っています。勉強だけをして東大にいったところで、社会ではクソの役にも立たない面があるのです。

 

 いつも読んでくださってありがとうございます。

 

 

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