いかに丸暗記から脱するか、が大事 | お受験ブルーズ

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現役講師がお受験を通じて世間を眺めています。
大手塾勤務→独立→プロ家庭教師と変わって来ました。(作曲・編曲、戦国シンフォニックメタルバンド「武士メタル~Allegiance Reign~」のベーシストとしても活動しています。どっちも本気です)

 最近の中学受験、特に首都圏の中学受験のカリキュラムを見ていますと、どうしても丸暗記パターン化させる傾向が強いと感じます。コンサル等で見てきました、関西や九州よりもこの傾向はひどいと思います。

 その要因の一つは、単純に競争が激化したからです。今の首都圏の中学受験事情は年々子供たちの平均レベルが高くなっていて、特にサピックスが最強を謳う2000年代中盤からは、ほんとうにカリキュラムが難化(各塾がそれに追従した)して、厳しくなっています。

 対して、関西では社会がなく、その分思考や応用に力が割きやすいのです。(まあ、僕のように算数が苦手な子にとってはしんどかったですが)その思考や応用でなんとかする感じが、理科や国語にも生きていて、その後社会をしても、うまく考えることでいろんなことをクリアしていくことになります。

 難化するカリキュラムに対して、大半の子は、一番楽(そうに見える)な丸暗記という方法をとるようです。でもそれでは、トップ層にはいけません。サピでいうところのアルファクラスの子たちは、考えてわかることは考え、不必要なことは覚えずに印象や思考からなんとかする脳の使い方をしている子が大半です。
 これができていないと、小5の後半あたりからアルファクラスを転げ落ちていくことにもなります。(けっこうそういう子もいます)

 もちろん、ある程度の暗記というのはしなければならないのではあるのですが、なんでもかんでも覚えよう、という姿勢が問題となります。それは単に粗雑なだけで、やはりよい勝ち組のやり方とは言えないのです。論理を避けてはいけません。避けなければ、あるところから楽しくなります。

 また、塾講師の経験上、先生側の問題点も僕は見えてはいます。カリキュラムのレベルがあまりにも高く、説明を丁寧にしようとすると時間が足りないのです。どうしても、たとえば算数ならば、ひと授業で10問は説明せねばなりません。うるさい子供たちを制しながら説明となるとこれがほんとにキツイのです。

 そうなると、もう「まあ、覚えろ」というのが、算数であっても手っ取り早い感じになってしまい、特に下のクラスになるほどその傾向が強くなります。下の方のクラスの子にしてみれば、勉強の面白さ(奥深さ)にふれることもなく、単に暗記を強要される感じになり、ますますできなくなり且つ勉強も好きではなくなっていくことでしょう。上のクラスにも当然、あがりにくくなります。

 講師の方にしても、下のクラスであっても、思考や面白さをしっかり説明するかどうかの葛藤を持たれているか、が良い講師かどうかの判断基準となります。ダメそうな方ならば、こちらもそれなりの覚悟をせねばなりません。

 この意味からも、半年以上Aクラス(サピでは最も下)や一番下のクラスが続くようであれば、個別や家庭教師に切り替える方が金銭的には無駄にならなくて済むでしょう。これが1年くらいになってしまうと、取り返すのは厳しくなってきます。


 よく丸暗記のやり玉にあがるのが、社会の年代暗記だと思うのですが、これにしたって、しっかり考えていくことで記憶量を減らすことができます。また、年代を覚える上で、大事なことは「時代の流れ」を掴むことなので、どの事件が先におこり、どの事件がその後に起こるのかをしっかり論理的に整理していかねば、無意味となります。

 たとえば、日清日露戦争にしても、明治維新以降近代化を進めてきて、そろそろ軽工業(紡績関係)ができてきたころに、そろそろ鉄鋼などの重工業がやりたいとなる。そこでまだ鎖国中であった清国を近代兵器で打ち倒します。すると、下関条約で多額の賠償金を得ます。その賠償金を使って、八幡製鉄所をつくり、日本の近代化は一気に進み、日露戦争へと突入していきます。もう近代化はすんでいるので、東郷平八郎などの艦隊戦の猛将なども現れ、まさかの勝利を得ます。
 ですが、日清の時のように賠償金を取れなかったので国内では不満が募り、次の軍国主義の萌芽がもうこの辺で生まれていくことになります。そして、第1次世界大戦参戦となるのですが、その前に日英同盟があったことも大きな要因となります。

 とまあ、軽く文章でこのように自分なりにで良いので書いたり説明できれば、日清戦争→日英同盟→日露戦争→第1次世界大戦→日中戦争→第2次世界大戦→太平洋戦争という流れはなんとなくでも把握できます。教科書などにはしっかり文章で書いていあるので、それを参考にすればよいです。また、無いならば、大学受験用の日本史のモノを参考にすればよいです。ま、最悪ウィキペディアでも結構いいです。

 大局を把握できれば、あとのこまごましたところは覚えるにしても忘れにくくなっているのです。(今年は出そうなので、これを例にしてみました)

 このような文章で時代の流れを表現していく勉強法を普段からしておくべきでしょう。中学に入ったらまさにこの辺をするかどうかで、国公立大かそうでないかが決まってきます。どうせやるなら、もっとも本質にせまった勉強法をしたいものです。もちろん、僕がやる時は必ずそのような方向に持っていきます。

 僕はどの学力レベルの子にももっとも水準の高いやり方を指導するようにしています。すぐには成績があがらなかったりするものなのですが、結局はそれが、もっとも本人のためにもなるのだと信じています。

 いつも読んでくださってありがとうございます。



お問い合わせいただいたメールに返信はできていますでしょうか? 迷惑メールとして処理されてしまって届いていないということがたまにあります。僕は1週間の間に必ず返信は行いますので、1週間経ってもこない方はお手数ですがもう一度しっかりタイトルなどもいれて送っていただければと思います。問題集に載っているアドレスの方にだしていただいても構いません。


5年生や受験学年でない方のコンサルも受け付けております。また、遠方の方も交通費さえ頂ければどこにでもいきます。

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