毎年アメンバー限定で更新している記事を、初回から時間もたったので公開UPしました。

もちろん、一部は時代にあわせて更新しています。

関西圏からはものすごく離れた場所からの教育相談のお申し込みを頂いたので、「あれ?そういえば?」と思い返して、この記事にたどり着きました。

もう一度、編集しなおしてアップしておこう!と思ったわけです。

 

 

かつて、数十年も前になりますが、女子の最難関受験と言えば、神戸女学院一択でした。

今とは違い神戸海星なども、神女と双璧とはいかないまでも、かなり難度が高いとされる受験でした。

これらの学校の偏差値という点に着目する場合、30年以上時間が経過するうちに大きく変わってしまいました。

もちろん、女子の関西トップ校は、洛南か西大和です。

 

いずれも当時は男子最難関校であったわけですから、灘や甲陽、東大寺などを受ける子たちの併願校としての確たる立ち位置があったわけです。

2000年後半から関西圏でも共学校が増え、その影響も多少はあったでしょうが、それらが相次いで共学化に踏み切り(西大和の高校は元々共学)、結果多くの関西最高レベルの女子たちが受験をするようになりました。

そういう子が集まれば、進学実績につながりますし、結果男子の相対的偏差値も上がると踏んだのでしょう。

 

では、そんな西大和や洛南に実際に合格をし、進学するような女子たちは、どんな子たちなのでしょうか?

学力の面では当然各教科とも各塾のトップクラスですが、それ以外に何があるのでしょうか?

ここには、いくつかの共通点があると思いますので、列挙してみましょう。

当方に在籍していた子たちを思い出しながら、10点挙げてみました。

 

  ➀知的探求心

これはもう圧倒的です。

現状で満足しない、さらなる高みを目指そうとする。

一見すると受験と関係の無いようなことでも、どんどん知ろうとする。

そのためにはどんどん聞くことをし、様々なものを吸収しようとします。

つまりその前のめりな姿勢が重要なのですね。

彼女たちは広く深くを理想とするため、時には受験外の知識にまで広がる可能性がありますが、それでも他の追随を許しません。

故に、各塾ともに、トップ10あたりには1~2人、50~100傑レベルでも20人程度は女子が『3科で!』入り込みますね。

場合によっては、その学年のトップを女子が取ることもありますが、その子を想像してください。

どういう性格で、どういう行動をしており、どういうスピードで問題を解くか、周りの子が勉強になります。

ただ、間違ってもその子の親からの情報をうのみにしてはいけません。

自分の子には当てはまらない、適応できないことを平然とやってのけている場合が大半だからです。

 

  ②ほんの少しのミスや欠点を意識できる

どんなレベル帯の子であっても、得意教科・不得意教科、また好きな教科・嫌いな教科というのは存在します。

「それだけ点を取ってて?」「何てぜいたくな悩み~」と言いたくなりますが、その子なりのコンプレックスというのは存在します。

美女が「私もっと痩せたいわ!」とか、イケメンが「オレなんて全然モテないぜ!」とか言っていると、周りは「なんでやねん!」と関西人なら突っ込みますね。

それと一緒で、その子の悩みはその子にしか解らないのです。

周りからしたら大したことに思えないことも、自分の強みを相殺してしまうぐらい重いものだと意識できるのです。

「蟻の一穴」を意識できるという感じでしょうか。

実際に、入試では想定外の問題や状況に陥ることは多々ありますから。

その一穴もつぶしておかないといけない!本番で何が起こるかわからない!という意識があるわけですね。

 

  ③客観的に自分を見ることが出来る

「自分に足りないものは何なのだろう?」「どうすればもう一段上に行けるのだろう?」というような誰しもが一度は考えることを、小6生が考えます。

例えば、偏差値70を取れているとしても、その内訳を見たときに、もしかしたら教科によって差があるのかもしれません。

また、その教科の中身を見ると、特定の分野が特に取れていないことに、自分で気づく子もいます。

もちろんこういう生徒はレアケースだと思いますが、このように自分で「気づける」という子は、自分で「考える」という子になれます。

すると、「どうしたら良いだろう?」という考えに行きつきます。

その結果、「こうしてみよう」「試しにやってみよう」「これはどうかな」というような、『次の行動』につながる考えを持つようになります。

失敗を次への糧にしようとしているのが解りますか?

悩むぐらいだったら行動しなければいけない、その悩んでいる時間がもったいない!という実に理にかなった思考をします。

小6生ですけどね。

「そんなことホンマに出来るの?」「うっそ~?」と思うでしょう?

ホンマですねん、ウソちゃいまんねん。

全部実話ですねん。

だから洛南や西大和に合格する女子は別格なのです。

レベルが違う域に達している子たちが、合格枠を取り合うのです。

 

  ④一喜一憂するも、一喜は一瞬、一憂は一時

模試やテストの類を受けて、その結果が出たとき、良い結果、悪い結果の際の子どもの様子で、どういう子になるのか想像できます。

洛南や西大和に合格できる女子は、この④は特に顕著です。

良い結果が出たときのテストの報告は、「まーまーできた」の次に、「・・・けどな・・・」という接続語が来るのです。

「ここが〇〇で点を落とした」「これとこれの意味を取り違えた」など、私に報告してくるのは、良い結果の内容ではなく、『悪い結果、ミスをしてしまったことの解説』が大半を占めるのです。

一喜一憂といいますが、「喜」の説明は一瞬で、その後「憂」の説明にしっかりと時間をかけるのです。

つまり、自分に何が足りないかを分析したから、知っておいてくれ、もしくはどうしたら良いと思いますか?というような次へとつながる意見を求め、考えと行動を示せる子たちなのです。

これに関しては、もちろん全員が!とは言いませんが、やはり女子トップ層はそういう子が多いとは思います。

男子トップ層との違いは、客観性に長けているところかもしれません。

男子はちょっと点数が良いと「オレ天才!」とか言い出し、すぐに調子に乗るので。

 

  ⑤最悪のケースを想像出来る

例え自分がV0だろうと、PC0だろうと、『絶対はない!』という意識が強いです。

これはトップ層の女子に共通なのかと思いますが、自分の成績がどれだけ良かろうとも、万が一があるという意識が大なり小なりあります。

そして、仮に自分より成績が下の子でも、逆転されるかもしれない・・・という感性があるようです。

ゆえに、絶対に手を抜きませんし、何とか点数にしようと、とにかく手を動かします。

その1問、その1点で、不合格に成り得るのだという意識が物凄く強いですし、それを想像できるのです。

だから、普段の模試でも極力ミスを減らそうという意識が働いていて、高得点につながるのだと思います。

実際に、洛南や西大和に進学した男子の皆さんなら解りますね?

この辺りの感覚は、皆さんの方が今、感じているかもしれませんし、理解できるのではないでしょうか。

もちろん男子にも優秀な子が多いでしょうが、その「割合」は女子の方がはるかに高いでしょう。

 

  ⑥志望校の配点と時間を意識できる

普段の宿題や課題をやる時に、時間を意識せず、ただダラダラと解いている人はいませんか?

それが正解、不正解はこの際おいておいて、入試というのは「時間制約」があります。

決められた時間内に合格点をたたき出さなければいけないわけですが、それが普段から意識出来る子と出来ない子に分かれます。

もちろん意識しつつ、普段から1問あたりに何分というのを国算理社の宿題・課題をやる際に出来ているでしょうか?

普段から時間を意識し、取り組んでいる子たちというのは、問題全体を俯瞰的に捉えることが出来ます。

「大問1つあたり〇分、半分やり切るまでに〇〇分、最後に〇〇分残して見直し」などという感じです。

これが出来ている子たちと、出来ていない子たちの差は、歴然だと思いませんか?

時間制約を意識し、問題全体を俯瞰的に捉えることで、自分がどこで何点とるべきなのか?どうすれば合格点に届くのかが見えてきます。

これは流石に洛南や西大和のトップ層の話になるかと思いますが、入試間近になると、結構出来るようになってきます。

裏を返せば、それが出来ない子から不合格になるとも考えられます。

 

  ⑦妥協をしない

これは精神的な強さにつながるものだと思います。

どんな結果が出ようとも、どんな難しい問題、逆に簡単な問題が出ようと、本当にそれで良いのか?という「個人の妥協点」が、おそらく相当高いと感じます。

西大和と洛南で、女子の合格者は年によって左右しますが両校合計で150人ほどです。

更に言えば、その人数の内、多数は両方合格している子たちですので、実数はもっともっと少ないでしょう。

いわゆる関西圏選りすぐりの女子たちですから、そもそも妥協なんてしていては合格できません。

「妥協?イミフ~」とか言える子ばかりなのでしょう。

だから、国算理社、すべてにおいて苦手教科、不得意教科があっても、何とかしてそれを補おうとします。

弱い教科がある、それは自分の不利益になると解っているからでしょう。

今日はしんどいからこのへんで・・・とか、やる気がウンヌン・・・とか言っている人たちは到底太刀打ち出来ません。

 

  ⑧気持ちの強さ

受験生にとって多くの宿題、課題をちゃんと理解してやり切るのは、大きな難題になっています。

特に受験学年になると、平常授業に加えてイベント、講座、日曜の特訓など、多くのやらなければならないことがあります。

ゆえに、それらをサッサとやってしまいたいと思うのは皆さん一緒なのですが、どうしても「休憩したい」「遊びたい」「どこかへ行きたい」など、誘惑にかられがちになります。

もちろん洛南や西大和に合格するような女子にも、そういう気持ちはありますが、「負けてしまう」ことはありません。

そもそも負けてしまう子はこれらの学校に合格できませんし、勝負になりません。

逆に言えば、そういう子たちは本気で目指している子たちにとっては全く相手になりません。

宿題、課題をサッサとやってしまい、それでもさらに先を考え、赤本・過去問に着手します。

後回しにしてしまった時、良いことなど一つもありません。

当方だと、本当のトップ層女子を数人これまで見てきましたが、夏には過去問終わってましたよ。

どれくらい点数を取るかと言えば、初見で洛南の算数を150点取る子です。

それでも国語は100点ぐらいだったので、総合合格はしますが、常に危機意識は持っていましたね。

この時に実施した算国理社の6年分の原本を、教室に置いてあるのは、当方の塾生なら誰しも知っていますね。

 

  ⑨ライバルは自分

「あの子には負けたくない!」「絶対に〇位以内になる!」と、常に意識しているものがあります。

ただ、それはライバル関係を求めているわけではなく、「次は今よりも強く、その次はさらに強く!」という自分自身を奮い立たせる精神が働いているものだと推察します。

ようは、ライバル関係にある子に負けないのは当然で、最大のライバルは自分自身であることを意識出来ているのでしょう。

よくライバルを意識できる子がいれば良いね、という言葉を聞きます。

私も言いますが、それはそこで終了ではありません。

その先の、その子に勝ち、さらに連勝し、もっともっと高みを目指しなさい、そのための目下の目標であるという意味です。

そのためには、どうしたら良いと思いますか?

当然ですが、どんな状況に陥っても諦めない、負けない、やり続ける、というような精神力と断固たる覚悟が必要だということです。

やはり、洛南や西大和に合格してしまう女子は、このあたりの精神力は他と比較になりません。

そりゃそうですね、灘中を受けられるのなら合格してしまうような子たちですから、灘上位レベルの男子にも学力、精神力などでも負けないのですよ。

 

  ⑩合格した後の、さらに先が見えている。

多くの生徒は「なぜ〇〇中に行きたいの?」と聞くと、「え~偏差値が高いから」とか、「ん~一番いい学校だから」というような具体性に欠け、物事の表面上しか見ていない薄っぺらい返答をしがちです。

つまり、何となく受験をし、何となく進学をし、そのために何となく勉強をしているというような状況です。

最悪の場合、親に言われたから、とか言い出す子もいるでしょう。

自分のお子さんに聞いてみてはいかがでしょうか?

その際に、同じことを質問して、上記のような返答や答えられないというようなことが無ければOKです。

例えば、「将来医者になるためには、高いレベルで勉強が出来る〇〇中に行きたいから」とか、「医学部に進学しようと思うと、進学実績が出ている〇〇中に行くべきだから」とか、はたまた「将来の夢は変わるかもしれないけど、選択肢を持っておくためにはより高いレベルに行きちゃんと勉強すべきだと思うから」などの解答が出れば満点です。

なぜなら、『自分で考えている』からです。

こういう返答が出来る生徒は、成績の良し悪しではありませんし、どんな成績層の子でもいます。

もちろんある程度高いレベルの子に多いとは思いますが、「本当にそんな子いんの?」と思うでしょう。

そういった保護者の質問に対する答えは簡単です。

え?普通にいますし、女子のトップオブトップはそんなもんですよ。

 

 

 

さて、以上10項目、どうでしたでしょうか?

うんうんと頷くこともあれば、え~そうかな~?と思うこともあるでしょう。

それで良いのです。

人はみんな意見や考え方が違います。

全員一緒だと思うことが間違いですし、自分の意見や考え方を押しつけるのも間違っています。

これらはあくまで個人的見解ですから、参考にしたい人はすれば良いですし、スルーしてもらっても一向にかまいません。

 

ただ、そんなに例外を言っているつもりもありませんし、外れているとも個人的には思いません。

まあ、V0女子やPC0女子は、これらの学校の全受験生の中でも、ちょっと抜けていて強すぎかもしれませんけどね。

でも、入試本番で『絶対』というのは、誰にも無いんですよ。

何年も何度も言っていますが、どれだけ成績がよかろうと、所詮小学生ですから。

だから中学受験は難しい。

 

 

 

●○女子のトップオブトップは普通に灘合格できるレベル。○●

 

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