彼は、エジプトのピラミッドの高さを
哲学者であり、数学者であったターレスは、
半円(直径)に対する円周角は直角であるとする
さて、このターレスに次いで現れたのが、
彼の名は「ピタゴラスの定理」(三平方の定理)
“ピタゴラス”ときくと、
彼は数学のほか、
そして、新たな叡智を持ち帰った彼は、
あくまでも伝説として。
その後、彼は秘密結社(後に「ピタゴラス教団」
彼は早くから地球が球形であることに気づき、
また彼は、
そのため
無理数とは、
一般的に「ピタゴラスの定理」の名で知られる
「三平方の定理」
(直角三角形の直角をはさむ2辺上の正方形の面積の和は、
対辺上の正方形の面積に等しいとされるもの)
を証明してみせたのは、ピタゴラス自身でなく
彼の弟子たち(一説ではピタゴラス自身とも)
ですが、
この研究は、後に“大問題”を引き起こします。
それは、
この定理を直角二等辺三角形に応用させたとき
(上図)、
1²+1²=2となり、
直角に対する辺の長さ
(面積が2となる正方形の1辺の長さ)は、
√2(1.414…)となってしまうことから…
正確な数字を表すことはできないということが、
弟子たちにより明らかになったからです。
整数(有理数)だけを「数」としていた
ピタゴラス教団は、あろうことか、
「ピタゴラスの定理」の中に潜む「無理数」
という数を発見してしまいました。
(一般的には弟子のヒッパソスが発見したとも)
当時、このことは教団だけの重大な秘密として
保持されることに…
ところで、
ピタゴラス教団にとって最も神秘的とされていた
図形は正五角形でした。
正五角形の各頂点から5本の対角線を引くと、
真ん中にもう一つの小さな正五角形ができます。
同じようにして、
その正五角形に対角線を引くと、
また新たな正五角形ができます。
これが限りなく繰り返されます… (下図)
こうしたことから、
「5」には無限の力があると考えられるように。
この時に描かれる対角線の形こそ、
ピタゴラスがシンボルマークにしていた
正五芒星(ペンタグラム)です。
ただ、皮肉なことに…
このシンボルマークであった五芒星は、
無理数(である‟黄金比”)で構成されていました。
黄金比とは、
人間が本能的に美しいと感じる比率(1:1.618…)
のことで、
パルテノン神殿やミロのヴィーナス、
モナリザの画などにも用いられています。
約5:8からなるこの“黄金比”は、
身近なところでは、名刺や葉書にも。
ただし、黄金比は無理数であることから、
厳密にはそれを形に表すことはできません。
実際の黄金比は、
あくまでもそれに近しい数値のことであり、
“何となく美しいと感じる比率”
という比喩的な意味になります。
無理数が数として証明されたのは、それから
約100年後のこと。
ちなみに、
無理数であり、超越数である円周率π(3.14…)
ですが、
2020年1月の時点では、小数点以下50兆桁まで
計算されています。
一体どこまで続くのでしょうか…
量子コンピュータによる結果が楽しみです。
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ピタゴラス、というよりも、彼ら教団の業績は、
「ピタゴラスの定理」の証明、
これに尽きるといえます。
ピタゴラスは“秘密”を戒律にしていたため、
一つも書物を遺していません。
しかしながら、
彼らが数学史のなかで重要な役割を演じたこと
は確かなのです。