こんにちは( ・◇・)
 
 
今日は「数」の世界から
 
目に見える世界目に見えない世界
 
覗いてみたいと思います。
 
 
 
 
ギリシア七賢人のひとりに、
古代ギリシア・ミレトスの
ターレス(紀元前624頃-紀元前546頃)がいます。

彼は、エジプトのピラミッドの高さを
影の比率を用いて計測したり、
日食を予言し人々を驚かせたり、また、
 
“万物の根源は水である”
 
と唱えたことで知られています。
 

哲学者であり、数学者であったターレスは、
エジプトやバビロニアで学んだ数学や天文学、
幾何学を最初にギリシアに伝えた人物とされ、
ギリシア数学の発展に大きく貢献しました。
 
ゆえに
“最初の数学者(哲学者)”と呼ばれることも
あります。


半円(直径)に対する円周角は直角であるとする
「ターレスの定理」は、
彼自身が証明したことからそう呼ばれています
が、
ターレス自身の著作や記録は一つもないため、
その真偽は疑わしいところもあります。
 
しかし、
彼によってギリシア数学に確かな進歩があった
ことは否めません。




さて、このターレスに次いで現れたのが、
“数秘術の創始者”といわれる
古代ギリシア(イオニア地方サモス島)の数学者
ピタゴラス(紀元前582頃-紀元前496頃)です。

彼の名は「ピタゴラスの定理」(三平方の定理)
で有名ですね。
 

“ピタゴラス”ときくと、
どうしても“数学者”のイメージが先行しますが、
魔術や占星術の専門書に目をやると、
必ずといっていいほどこの名が登場すること
からも、存在としては、
 
彼は当時の“魔術師(科学者)であり、
時代をリードしていた“シャーマン”であったと
いえます。(彼が善いか悪いかではなく)
 
 
 
ピタゴラスのいたこの時代、
中国では孔子老子が、インドでは釈迦
存在していました。
 
すなわち、
思想・哲学・宗教の発展においても重大な時期
であったといえます。


彼は数学のほか、
占星術や医学にも精通しており、予言者でも
ありました。
ひどい豆嫌いでも知られていますね。
 
若いときには20年もかけて、
エジプト、バビロニア、ペルシア、西アジア
など各地を放浪し、
高度な数学、天文学、哲学、思想などを学んだ
といわれています。


そして、新たな叡智を持ち帰った彼は、
数々の“神秘現象”を起こしては人々を驚かせた
そうです。
もちろん、そこには科学的かつ合理的手法
使用されたのでしょうけれど…

あくまでも伝説として。



その後、彼は秘密結社(後に「ピタゴラス教団」
といわれる宗教的学校)を創立。
多くの弟子たちとともに、
数学をはじめ、幾何学、哲学、音学、数秘術、
そして占星術などの研究に取り組みました。

彼は早くから地球が球形であることに気づき、
その周りを惑星が回っていると(天動説を)主張
していました。
 
一説では、
地球が球体であることを最初に唱えだしたのは
ピタゴラスともいわれています。



また彼は、
宇宙は数によって秩序を保っていると考え、
宇宙を「コスモス(cosmos)と呼びました。
 
万物の根源は水であるとしたターレスに次ぎ、
ピタゴラスは万物の根源は「数」であるとし、
 
線は極小の点の有限個の集合であり、
幾何学的、物理学的な“実在”とし、
 
数は量的な大きさをもつと同様に、幾何学的な
形(正多面体)をもっていると考えたのです。


そのため
「無理数」の存在を否定していました。

無理数とは、
整数の比で表せないかたちの数のこと。
 
 
 
 

一般的に「ピタゴラスの定理」の名で知られる

「三平方の定理」

(直角三角形の直角をはさむ2辺上の正方形の面積の和は、

対辺上の正方形の面積に等しいとされるもの)

を証明してみせたのは、ピタゴラス自身でなく

彼の弟子たち(一説ではピタゴラス自身とも)

ですが、

 

この研究は、後に“大問題”を引き起こします。

 

 

 

 

それは、

この定理を直角二等辺三角形に応用させたとき

(上図)

 

 

1²+1²=2となり、

 

 

直角に対する辺の長さ

(面積が2となる正方形の1辺の長さ)は、

 

√2(1.414…)となってしまうことから…

 

 

 

正確な数字を表すことはできないということが、

弟子たちにより明らかになったからです。

 

 

整数(有理数)だけを「数」としていた

ピタゴラス教団は、あろうことか、

「ピタゴラスの定理」の中に潜む「無理数」

という数を発見してしまいました。

(一般的には弟子のヒッパソスが発見したとも)

 

当時、このことは教団だけの重大な秘密として

保持されることに…

 

 

 

 

ところで、

 

ピタゴラス教団にとって最も神秘的とされていた

図形は正五角形でした。

 


正五角形の各頂点から5本の対角線を引くと、

真ん中にもう一つの小さな正五角形ができます。

 

同じようにして、

その正五角形に対角線を引くと、

また新たな正五角形ができます。

 

 

これが限りなく繰り返されます…  (下図)

 

 

 


こうしたことから、

「5」には無限の力があると考えられるように。

 

 

この時に描かれる対角線の形こそ、

ピタゴラスがシンボルマークにしていた

正五芒星(ペンタグラム)です。
 

 

ただ、皮肉なことに…

 

このシンボルマークであった五芒星は、

無理数(である‟黄金比”)で構成されていました。

 

 

 

黄金比とは、

 

人間が本能的に美しいと感じる比率(1:1.618…)

のことで、

パルテノン神殿やミロのヴィーナス、

モナリザの画などにも用いられています。

 

約5:8からなるこの“黄金比”は、

身近なところでは、名刺や葉書にも。

 

 

ただし、黄金比は無理数であることから、

厳密にはそれを形に表すことはできません

実際の黄金比は、

あくまでもそれに近しい数値のことであり、

 

“何となく美しいと感じる比率”

という比喩的な意味になります。

 

 

 

無理数が数として証明されたのは、それから

約100年後のこと。

 

 

ちなみに、

無理数であり、超越数である円周率π(3.14…)

ですが、

2020年1月の時点では、小数点以下50兆桁まで

計算されています。

 

一体どこまで続くのでしょうか…

量子コンピュータによる結果が楽しみです。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

ピタゴラス、というよりも、彼ら教団の業績は、

「ピタゴラスの定理」の証明

これに尽きるといえます。

 

ピタゴラスは“秘密”を戒律にしていたため、

一つも書物を遺していません。

 

しかしながら、

彼らが数学史のなかで重要な役割を演じたこと

は確かなのです。

 

 
 
 
円周率π3.14…」のような
無理数という実数
 
この世には
‟無限に(永遠に)続く数”というものが存在する
 
 
…という事実が大事です。
 
 
 

数の世界はともかく、

白か黒か…  など、
きっちり判別できるものなんて
ホントは存在しないのかもしれませんね。
 
“境界線”を引こうとするからややこしくなる。
 
 
無限に続く正五芒星と逆五芒星のように、
 
正か逆か
 
“正だからどう”とか…  “逆だからどう”とか…
(くだらぬ対立的見解)
いつまでも論じたところで、
 
そもそも五芒星は五芒星なわけで。
 
 
“向き”にとらわれているようでは
永遠に“真実”には辿り着けません。
 
 
 
どの一瞬を
 
どの角度からどう見るか・・・ だけの話。
 
 
 
 
それは太極に存在する陰陽
 
ふたつでひとつ。
 
 
 
“美しい”を存在させた瞬間
 
“美しくない”を存在させてしまう
 
 
 
“正義”を存在させた瞬間
 
“それに対する悪”を存在させてしまう
 
 
 
 
長所は短所、
短所は長所でもあるように、
 
正義や悪は‟個人の主観”によるもの
 
自分の勝手な都合に過ぎないわけで。
 
 
 
そうではなく、
 
 
あくまでも‟要素”として、
 
誰しも備わっている“ある一面”として、
 
捉えるべきではないでしょうか。
 
 
 
 
目に見えているものだけがすべてじゃない。
 
 
 
 
数で割りきれない世界があって、
 
 
どちらでもありどちらでもない状態があって、
 
 
 
カタチを持たない生命がいて、
 
 
カタチを必要としない次元があって、
 
 
 
 
目に見える世界と目に見えない世界
 
 
それらは常に同時に存在していて・・・
 
 
 
 
 
曖昧なものの中にこそ
 
 
“真実”があって・・・・・・・・・
 
 
 
 
 
ここまでお読みいただき
ありがとうございました(* ̄◇)=3
 
 
平安如意
 
 
 
2021.05.15 夕暮れ
KANAME



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