今、微小四角形に沿ってあるベクトルAを平行移動させて元の地点に戻す。

簡単のため二次元を考えることにする(空間がゆがんでいるので外から見ると三次元に見えるかもしれないが)。

下図の始点をAとし、反時計回りにB,C,Dと点に名前をつける。


バカ2匹がテンソルとか相対論とかに挑む


A→B
(図は自作でないのでdxとかdyとかなっていますがご了承ください)


B→C


C→D


D→A



前回の共変ベクトルより と成分が変化するので、まとめると



二次以上の微小項を無視して三項目、四項目をテーラー展開して計算すると



括弧内二項目、三項目をα⇔βとして


このカッコ内はリーマンテンソルや曲率テンソルといわれるものである。

平坦な空間だとこの部分は0となりベクトルAはベクトルAのままだが、空間が曲がっているとベクトルを平行移動して元に戻しても一致しないということが起こるのである。





これを導出した理由は、これを使って出てくるビアンキの恒等式と流体力学から出てくるエネルギー運動量テンソルを結び付けてやることでGとTの関係式が導出でき、これがかの有名なアインシュタイン方程式なのであるが、詳しいことは流体力学を勉強していないのでわかりかねる。

一応の帰結としてアインシュタイン方程式を載せておく




次回はシュヴァルツ解を既知のものとして物体の運動がどうなるかを軽く触れようと思う。

片割れがぜんぜん書いてくれないので第四回も自分が更新します


詳しい説明は省くが、あるベクトルAを平行移動するということは


 に対応している。


これを利用して、時空が曲がっているということをもう少し詳しく見ていこう。



とすると、先の式は


変位ベクトルと単位ベクトルは0ではないので


であり、これを共変微分という。表記は


つまりベクトルを平行移動するとは共変微分を0に保って変化させることに等しい。


次に微小四角形ABCDに沿ってベクトルを平行移動させたときどのように変化するかを見てみる。

以上での考察により、クリストエッフェル記号は次の二式で定義できることがわかった。


一式より


二式より


一つ目の式を弱い重力場で考えると



となるので、たとえばσ=1のとき



これは運動方程式にもある通り に等しい



ここでもうひとつの式より



尚、ここで重力が弱いと時間変化しないとする仮定を用いている。


 かつ弱い重力場ではhは微少量であることを考えると






以上より


となる。


よく知られているものである

を入れてみると




となり、 の点で時間変化がゼロの極限をとっている。


これはブラックホールに近づいたときに時間が限りなく遅くなっていくことに対応していることがわかる。