そもそも。
私が動物愛護に本気で向き合い始めたきっかけは、この熊本県動物愛護センターが。

初めて「殺処分0」を達成するまでの軌跡を記録した1冊の本でした。


あまりにも知らなかった。
辛い事実に直面する度に涙が溢れ。
なかなか読み進むことが出来ませんでした。

何より。
今まで口だけで何もしてこなかった自分を。
吐く程に嫌悪しました。



その後。
地元で見つけたボランティア団体に手伝いに行くようになり。

そこもまた。
たくさんの野犬の仔達で溢れていました。


ほとんどが人慣れしていない仔達ばかりで。
何年経っても。
お散歩に行けない仔達がたくさん居ました。


その団体の施設も。
ボランティアの人数に対して、犬や猫の数が多く。

最低限の時間で。
最低限のお世話しか出来ない状態でした。

そんな状態では。
人慣れの為のトレーニングなど出来るわけもありませんでした。


(私が所属していた)
後半の期間こそ。
プロのトレーナーさんが時々来てくれて。
お世話の合間にトレーニングをしていましたが。

それも。
少しは人慣れしていて、お散歩に行ける仔達が精一杯。

人間が犬舎に居る間中。
小屋から出てこないような状態の仔までには。
とても時間が割けられませんでした。




それでも。
少しでも慣れて欲しくて。
まずは。
名前も無かった仔達、全員に名前を付け。
ご飯の時やおやつをあげる時には。
必ず1匹ずつの名前を呼んで、声をかけました。

支援物資でいただくオヤツ以外も。
自身で買って持ち込み。
必ず毎回同じおやつを与えることで。

『私が居る=美味しいオヤツが有る』
という些細な楽しみを持って欲しかったのと。

手から直接与えることで。
少しでも。
"人は怖くない"と思って欲しかったから…。


そのおかげだけとは。
おこがましくも言わないけれど。

距離を取りつつも。
犬舎に人が居ても、小屋から出てきてくれるようになり。

おっかなびっくり。
近くまで来てくれたり。

少し怯えながらも。
撫でさせてくれるようになった仔も居ます。


そんな小さな。
普通だったら"当たり前"なことをする姿を見る度に。

"出来なかったからこそ"

の感動や嬉しさが有りました。



この記事の中で。
高野さんが仰られているように。

私には。
【人慣れをさせる為のトレーニング】の技術など有りませんでした。

でも私は。

どんなに慣れていない仔に対しても。
変わらず接し。
全力で愛し。
名前を呼んで。
笑顔で話しかけ続けました。


それだけでも。
犬達には伝わるのだと。
あの仔達は教えてくれました。

どんな仔達にも。
無限の可能性が有る。

それを生かすも殺すも。
関わる人間次第なのだと。



残念ながら。
昨年、その団体を離れる事態にはなってしまいましたが。

今も変わらず。
私の中には、あの仔達1匹1匹への愛情や想いは変わらず有ります。



愛や想いは。
必ず伝わるのだと教えてくれた、あの仔達の幸せを今も願いながら。

あの仔達に恥じぬような自分になる為に。

前を向いて。
これからも頑張っていこうと思います❗️