最近長男坊慶真が、夜空に向かっておもちゃの天体望遠鏡を覘くことが日課となっています。〈この天体望遠鏡は、昨年ご縁を頂戴した東広島市福富町のお寺のご住職(元国立天文台台長)にお土産にいただいたものです。〉
慶真のお目当ては月。
15世紀(今から500年くらい前)まで、地球は宇宙の中心にあって、太陽や月や星が地球の周りを回っていると信じられていました。これを天動説と言うそうです。それが16世紀になってポーランド生まれのコペルニクス(1473~1543)が登場し、世の中の定説を覆します。彼は地球やその他の惑星が太陽の周りを回っているという地動説を提唱しました。その後、イタリアの天文学者ガリレオ(1564~1642)や万有引力の法則で有名なイギリスのニュートン(1643~1727)によって発展・証明され、この地動説が現在も定説となっています。
このように、ものごとの考え方が180度変わること、これまでの常識をひっくり返すようなことが起こったとき、そういう発想が生まれたときのことを指して、“コペルニクス的転回”と言います。
コペルニクスの登場よりも昔、法然聖人は聖道門(自力の修行によって、この世でさとりを開くことを説く法門)の教えが主流であった時代に、数あるお経の中から『仏説無量寿経』を選択され、浄土教の教えを一般庶民にお示しになりました。その教えを聞かれたお弟子の宗祖親鸞聖人は、法然聖人の示された教えを浄土真宗としてあきらかにされました。
「私から仏に」という常識から「仏から私に」という180度の転換。まさにみ教えにおける“コペルニクス的転回”。
報恩講シーズン真っ盛りのこの時期、今夜も慶真が天体望遠鏡を相棒に天体観測。
凍てつく寒さの中、法然聖人、そして宗祖親鸞聖人のご遺徳を偲ばせていただく事です。