経営者の家に生まれ、育った私は、
物事を自然と経営者の視座で観ているようです。
昨日お邪魔した九段下の寿司政さんは、
創業が文久元年。文久元年は1861年です。
今が2012年ですから151年も経営が続いていることになります。
少し前には、会社は30年が寿命
という統計を見たことがあります。
起業をしても30年持つ会社が希少だということです。
昨日の九段下の寿司政さんの継続が151年ということは、
30年経営する企業の5つ分です。
いかに、素晴らしい事業をなさっているかを
この経営年数からうかがい知ることができます。
店舗は、近代的な建物ではありませんので
費用は掛かってない・・掛ける気がないのかも知れませんし
そこに価値を置いていないのかも知れませんし、
利益を他で還元しているもかも知れません。
中の什器や器も特別な品物を
揃えているわけでもありませんでした。
ごく普通にあるものでした。
※ランチだからかもしれませんが※
しかし、
中で働く人の顔と姿勢、その人たち同志の会話が違いました。
まず、腰が低い。
その姿勢の様子は「謙虚」「感謝」というオーラを放っています。
顔つきも、質素倹約で生活してますって感じ。
そして、芯はシヤキーーンとしてますって感じです。
かなりご高齢の経営者側とお見受けするおばあさまも
接客なさっていましたが、先代、あるいは
先先代の時からのお客様を観て来られたのでしょう。
「いつもありがとうございます」のその言い方に
長年このお店に足を運ばれている方への
敬意を払われている言い方だな~と、私には聞こえました。
経営していくということは、理不尽なことも起き、
自分の努力に関わらず、
世の中の情勢で生活を一変することもあるものです。
なので、平素は質素に暮らし、その暮らしを受け継ぐことが
永年の経営を実現するひとつの要素となると思います。
今流行りの言葉を使うと、
常に「リスクヘッジ」をしていると
いうことになりますが、その言葉では、
到底足りない人の知恵あっての「経営の継続」を感じた次第でした。
お昼、ばらちらしを頂きながら、
歴史とそのお店の伝統を一緒に腹に入れる・・
私はそんなことをしていました。
経営する者の視座とは、ばらチラシを食べながらも
こんなことを観たり、感じたり・・忙しいです。(笑)