□なすのお話
マクロビオテックで使う素材の解説です
第21回は なす のお話
【 先祖の霊 に供える野菜 】
なすの原産地はインド。
日本へは中国から渡来し、
奈良時代から全国で広く栽培された歴史がある。
『奈須比』と呼ばれていた。
江戸時代には多くの品種が生まれ、
重要な野菜のひとつになっていた。
盂蘭盆会にはナスで馬をかたどり、先祖の霊に供える風習がある。
【 なすのミラクルパワー
】
がん予防
高血圧予防
動脈硬化予防
なすの成分は水分が90%以上。
ビタミンやミネラル類はあまり多くないが、
体の熱を取る作用があり、古くから暑気払いに良いとされてきた。
紫紺色の皮にはポリフェノールの一種 [ナスニン] という
アントシアニン系色素が含まれている。
アントシアニンは活性酸素の働きを抑制し、
がんなどの生活習慣病を予防する効果や
動脈硬化、高血圧の予防効果もあるといわれている。
血圧降下作用のあるカリウムも含まれている。
機能成分コリンは動脈硬化を防いだり、
胃液の分泌を促すといわれている。
【 なすの選び方&保存方法 】
なすのガクがまんべんなくついていて、
両方がよく張り、全体にバランスよく伸びているもの
を選びましょう。
元気の良い三角形の鋭いトゲがヘタにあるのは、
鮮度の良いしるし。
なすは93%が水分
と糖質。
冷蔵庫で冷やしすぎると自らの水分で低温障害を起こし、
腐るのを早めてしまう。
風が当たらないところで常温で保存しましょう。
2~3日を目安に使い切りましょう。
【 なすのマクロポイント 】
ナス、トマト、キュウリなど夏野菜は
食材全体のなかでも陰性が強いもの。
水分とカリウムを多く含む。
昔から [嫁に食わすな秋なすび] ということわざがあるが、
盛夏のナスでさえ身体を冷やすのに、
秋ナスは種ができないほど陰になっているので、
嫁が食べると子宝に恵まれないということ。
動物性食品の摂取が少なかった昔の日本人の体質は
現代人より陰性だったので、
ナス科の食材は今よりも陰性に働いていた。
昔よりも動物性食品を多く食べる現代では、
トマトやナスが体調に合う人が多いが、
動物性を使わないマクロで使う場合は、
ナスやトマトの陰性を調和できる
味噌、醤油、塩の陽性をしっかり使ったり、
焼く、揚げる、煮込むなど調理で陽性の力を加えましょう。
参考文献・出典・引用
・野菜の選び方、扱い方 内田 悟 /マーブルトン
・旬の食材 春・夏の野菜 /講談社
・日本の食材帖 山本謙治監修 /主婦と生活社
・キレイになるマクロビ教室 中美恵 /講談社
・マクロビオティック美味しいレシピ98 大森一慧著