□きゅうりのお話
マクロビオテックで使う素材の解説です
第6回は きゅうり のお話
インドのヒマラヤ山麓にあった野生種が進化したもので、
西アジアで野菜として栽培されて3000年。
もともとはとても苦みの強いものだったようだが、
交配の歴史の中で淡白な味わいになっている。
普段食べているものは未熟果で、熟れると大きく黄色くなる。
もともと「黄瓜(きうり)」と呼ばれていた。
日本には6世紀後半に中国から伝えられ、
本格的に栽培されたのは江戸時代に入ってから。
京都八坂神社の紋にキュウリの切り口が似ているため
禁忌作物にされ、また徳川の葵の御紋に似ているため、
武士たちが恐れ多いと口にしなかったと言われている。
きゅうりのミラクルパワー
高血圧予防・利尿作用・二日酔い防止・美肌効果
成分の約95%は水分で、ビタミンCやカリウムが含まれている。
カリウムの利尿作用で体内のむくみやだるさが解消する。
ビタミンCを壊すアスコルピナーゼという酵素が含まれているが、
酸がその働きを抑えるので他の野菜とサラダやあえ物にするときは
酢を加えたり、加熱するなど調理法を工夫しましょう。
すりおろしたキュウリをガーゼに包み、顔にポンポンとあてて
化粧水代わりにすると、顔の火照りを抑え、水分を補ってくれる。
きゅうりの選び方&保存方法
イボがとがっているもの、皮にハリと弾力性があるもの。
持つと重みがあるものが新鮮。
イボがない品種も出てきている。
曲がっていても問題ないが、上下の曲がり具合が対称なものがよい。
成分のほとんどが水分なので、
時間がたって蒸発すると味も食感も落ちる。
みずみずしさが命なので新鮮なうちに食べましょう。
切り口が黒ずんでいないものがよい。
へたを切ってこするとあくが抜ける。
乾燥と低温が苦手で、風にあたるとしなびてしまうので
新聞紙に包み、常温に置くか、ビニール袋に入れて冷蔵庫で保存する。
2~3日を目安に使い切るといいでしょう。
マクロポイント
夏の収穫物のキュウリは野菜の中でも陰性の野菜。
水分、カリウムが多く、地面から高いところに
実をつけているという陰性の要素が多い。
きゅうりを食べると身体は緩んで、適度に冷やしてくれるので
暑い夏にはぴったりの野菜。
陰性が高血圧・動脈硬化・暑気あたりなどの
陽性の症状に効果を発揮する。
参考文献
・旬の食材 春・夏の野菜 /講談社
・NHKまる得マガジン 築地のプロ直伝 野菜のメキキ
・からだにおいしい野菜の便利帳 坂木利隆 監修 /高橋書店
・日本の食材帖 山本謙治 ぼうずコンニャク 監修 /主婦と生活社
・マクロビオティック美味しいレシピ98 大森一慧 /新星出版社