圧巻!ディヴリイの大モスク【スィヴァス旅行④】 | 女郎蜘蛛のトルコ生活@イスタンブル

👉スィヴァス滞在のあと、スィヴァス県の小さな町ディヴリイDivriğiに向かいました。

 


 

早朝に1本だけある電車🛤で3時間、または車やバス🚌で3時間半、

 

山の中に小さな集落が散らばる、おそろしく辺鄙な町ですが……

 

 

 

ここには憧れの😭💕

 

ディヴリイの大モスクと併設治療院 Divriği Ulu Camii  ve dârü’ş-şifasıがあるんですッ。

 

 

 

このたった一つのモスクを見るためだけに、幼児2人を連れて往復6時間弱バスに揺られる価値があったか?と言えば、

 

ありました。

大アリでした😍‼️

 

 

ルーム・セルジューク朝の属国であった、メンギュジェック侯国Mengüçlü Beyliği/ Mengüceklilerのアフマッド・シャーによって13世紀に建てられた、このモスク。

 

現在は5年に渡る修復工事🚧のため、こんな感じ(↓)の外観になっています。

 

あと2年かかるそう

 

 

工事用の足場のような通路から、門だけが見ることができ、モスク内部に今は入れません。

 

でも最大の最大の見所は門ですので、それでもいいからとやって来たのでした。

 


では、モスクの正面からいきますよ〜。

天国の門 Cennet Kapısı

 

あああ、これが見たかったんだぁ〜😭‼️

 

 

 

繊細で緻密な石彫りの精巧さ、他に類を見ない独特なデザイン美に、魂を持っていかれそうになります。

 

こんな装飾はトルコでも他のイスラム圏でも見たことが無い‼️

 

なんという美的センスとなんという技術‼️Tek kelimeyle olağanüstü !

 

 

 

写真では何度も見てましたが、その比類無さ✨は実物を目の当たりにしてはじめて理解できました。泣くうさぎ感泣

 

 

 

 

スンバラシすぎる装飾の大部分は、天国の花園の美しさ乙女のトキメキを表しているそう。

 

が、地獄の恐ろしさも忘れないため、一角には地獄🔥を表す火にくべられた鍋kazanのモチーフが。下には永遠のシンボル。

 

鍋から上へ伸びるラインに装飾が無いのは、地獄の虚しさを表すとか

 

 

キターベ(誰が何のために建てたか記す碑文)の文言は、単調な唐草模様で飾られているかと思いきやハッ

 

文頭の葉っぱはよく見ると🌹(薔薇)に、文語の葉っぱは🐦(ナイチンゲール)になっています。

 

 

 

伝統的に、ナイチンゲール🐦は神への愛、薔薇🌹は預言者ムハムマド(sav)の象徴です。

 

また、イスラーム文学においては、ナイチンゲール🐦は恋い慕う者âşık、薔薇🌹は愛される者mâşukの象徴。

 

キターベにこの文様を描くことで、このモスクを建てたのは"預言者や神への愛ゆえである"と暗示してるワケですね。

 

 

ルーム・セルジューク朝の属国でしたので、アーチ上部には、「偉大なるスルタン、カリフの右腕、正義の鋭利な刀、アラーッディン・カイクバード」と、宗主国の当代君主の名も刻んでいます。

 

yardımcısıを「右腕」と意訳しました。笑

 

 

西門 Batı Kapı

 

西側の門は、またまったく装飾の雰囲気が違い、全体の形はセッジャーデ(礼拝用の絨毯)を思い起こさせると言われます。

 

 

 

門の脇には、ルーム・セルジューク朝の象徴である双頭のワシと、メンギュジェック侯国の象徴であるタカが、描かれていました。

 

トルコ語の猛禽類の名称が細かすぎて毎回悩む💦

メンギュジェックの方のşahinは、日本語だと正確にはノスリらしい

 

 

また、チューリップのモチーフ🌷がいろんな形で使われています。

 

 

 

👉以前にも書きましたが、チューリップ🌷がトルコの装飾で好んで用いられるのは、宗教的な理由からです。可愛いだけじゃないの♡

 

イスラーム神秘主義では、一つの球根から1本の茎が生える姿からアッラーの唯一性を表すとされていますし、

 

アブシャドという文字を数字に置き換える計算方法では、チューリップのスペルが、アッラーと同じ数になるからです。

 

 

 

さて、実はこの門たち、装飾がすごいだけでは終わらないんです。

 

なんと‼️

 

5月〜9月の、2回目の昼の礼拝時間ikindi namazıの45分前になると、あるサプライズが起きます‼️

 

西門には、門の彫りが落とす影が、クルアーンを詠む男性の形ポーン‼️

 

 

 

さらに時間が過ぎると、影のクルアーンが手から離れていき、腕を組んで直立した、礼拝の第二の姿勢、キヤームの姿になるんですってポーン

 

 

 

あの華やかな天国門にも、女性の影が浮かび上がります‼️ポーン

 

スカーフをかぶって、少し頭を下げ、やはりキヤームの姿勢かなという感じがします。

 

まつ毛までありますよ😲

 

 

このシルエットの存在は、なぜか長い間忘れられ、気づかれずにいたようではてなマーク、エヴリヤー・チェレビーなどのオスマン時代の旅行家にも言及されていません。🤔

 

それが近年になって、日本のテレビ番組の取材クルーによって発見された⁉️という説が散見されますが、本当かしら?びっくり

だとしたらどの番組なんだろ……

 

そんな経緯から、これは偶然だ、目の錯覚だ真顔、という意見もありますが、

 

最近の研究ではこのモスクの建築の前に、太陽と星の動きを2年間に渡って細かく観察していた事実星空が分かり、緻密な計算の上に設計されたものだ、という解釈が主流となっているようです。

 

 

うちのオットも、「モスクに偶像崇拝につながるような人の形を描くのは変じゃないか」と「偶然なのでは派真顔」です。

 

が、モスクの治療院の門には男女の顔の彫刻もありますし、そもそもセルジューク時代の美術って、人や動物の姿を描いたものが多いです。イランの影響が強かったためかな

 

なので、モスクに人の形の影を落とさせることを禁忌とする意識って、あまり無かった可能性もあるよな、と私は思うんですけどね〜。🤔

男女とも出るって、偶然だったら出来過ぎじゃないですか

 

 

 

というわけで、建築としての完成度だけでなく、さらに影のことまで計算されているとしたら‼️

 

このモスクの特別さはさらにとんでもない事になるし、当時の人たちの技術と知識の高度さに驚愕しますねラブ

今日の知識を持ってしても、この技術を完全に解明できないそうです。

 

 

さてさて、あまりに長文すぎて、途中離脱した方がゾロゾロいそうですが💦、めげずにニヤニヤディヴリイ旅行記、まだ続きますよ。