コンヤ旅行記③セルジュークのタイル三昧 | 女郎蜘蛛のトルコ生活@イスタンブル

前回にひきつづき、ルーム・セルジューク朝時代の遺跡をまわって行きます🚶‍♀️

 

(念のため👉ルーム・セルジュークは、11世紀に中央アジアで興ったセルジューク帝国が分裂してできた王国で、アナトリアが領地でした。トルコではアナドル・セルジューク朝と言います)

 

 

コンヤ観光でみんな必ず行く、カラタイ神学校タイル博物館 Karatay Medresesi Çini Eserler Müzesiへ。

 

装飾門は、2色の大理石を組み合わせてあって、シブめ。

 

 

 

 

内部は一転、壁から天井まで青いタイルで埋め尽くされた、なんとも鮮やかでゴージャスな空間!

 

空間が広くて高いのでキレイな全体像を撮るのが、シロウトには難しい💦以前も来たのにロクに写真が残ってなかったのはそれが理由か…

 

 

ここを1251年に建てたのは、、グラーム(奴隷軍人)出身からルーム・セルジューク朝の高官まで上りつめた、ジェラーレッディン・カラタイ。お墓も横にあります

 

オスマン帝国もですがセルジューク朝も、異教徒や奴隷の出自にかかわらず能力次第でこんな豪勢な建物を寄進できるくらいの大出世ができる社会だったんですよねー✨

 

 

 

神学校として19世紀末まで使われ、その600年もの間にタイルが落ちて修復され、色んな時代のタイルが混在してるそうですが、ドーム天井のモザイクタイルは建立当時のものとか。

 

幾何学模様に組み合わされたモザイクタイルで、宙と満天の星🌌を表しています。

 

この星のような太陽のようなモチーフ、ルーム・セルジュークのタイルでよく見かけます

 

 

タイル博物館なので、館内には歴史的なモザイクタイルや、陶器などの展示もされていました。

 

ほとんどは、コンヤ郊外のベイシェヒル湖のほとりで20世紀中頃に発見された、ルーム・セルジュークのクバーダバード宮殿Kubad-Abad Selçuklu Sarayıから発掘されたもの。

 

 

 

セルジューク時代のタイルは面白くて、宗教上 偶像崇拝はNGなはずなのに、人や動物のほか、人間の顔を持った鳥や馬などの空想上の生き物なんかが描かれていたりします。ペルシアの影響かな

 

セルジュークの紋章、双頭の鷲が描かれたタイルも。八芒星もセルジュークのシンボル

 

 

私がハマっている大セルジューク帝国を舞台にしたドラマに登場する悪役にソックリな人面鳥のタイルを見つけて、一人笑ったアタシニヒヒ

 

 

 

次に向かった、アラーエッディンの丘Alâeddin Tepesiは、コンヤがルーム・セルジュークの首都だった時代の中心地で、当時はこの周囲はぐるりと城壁に覆われていたらしい。

 

金曜モスクとスルタンの宮殿が残っています。

 

 

 

首都のウル・ジャーミー(=大モスク、金曜モスク)だった、アラーエッディン・モスクAlâeddin Camiiは、今でもコンヤで一番大きく、一番古いモスク。

 

 

 

外壁にはなんともセルジュークちっくな装飾やキターベ(建物が誰によって何の目的で建てられたかや、建立者などを讃える文言の書かれた碑)がところどころ残っていましたラブ💕

 

 

 

星型のキターベには、モスクがスルタン・アラーウッディーン・カイクバード👑の命にによって作られたと描かれているそう。

 

アラーウッディーン・カイクバード👑は、中央アジアから来たエルトゥールル・ガーズィーを保護して封土を与え、その領地をもとにエルトゥールルの息子オスマンがオスマン帝国の始祖となったことから、トルコ人にはよく知られている存在。

 

 

内部に入ると、古い時代のモスクだけあって、スペインのメスキータのように、たくさんのアーチと柱で支える構造になっています。

 

やはり、ギリシャ・ローマ時代などの柱を建材に使っているので、柱のデザインがバラバラ

 

 

何度か増築されたので、横に長い不思議なモスク空間。

 

そのためミフラーブも複数あるんですが、もっとも古い部分のミフラーブとその上のドームは、セルジューク時代のタイルが美しい!

 

ここも手ブレせずに写真撮るのが三脚とかないと至難の技💦

 

 

ここに置かれた木製(!)のミンバルも、1155年に作られたオリジナルで、当時の彫刻技術の高さがうかがえる、非常に歴史的価値のあるもの!

 

 

 

 

モスクの中庭にはルーム・セルジュークのスルタンたちが眠る霊廟があったんですが、中は公開されていず残念えー? 内部の棺も青いタイルばりだそうで、見たかったんですけどねー

 

霊廟内の画像はお借りしました

 

 

中庭にお花で描かれているのも、セルジュークのシンボル八芒星❗️ふつうトルコならここ国旗🇹🇷のデザインにしそうなところ

 

 

 

そこより少し下には、アラーウッディンの館Alâeddin köşküと呼ばれる、12世紀後半に建てられた城の遺構が残っていますが…ほぼ、何もないに等しい。

 

実際はクルチアルスラーン2世が建て、アラーウッディン・カイクバードがのちに修復したらしい

 

 

…というのも、18世紀ごろから廃墟となりつつも、もう少し残っていたこの城、20世紀初頭にコンヤ県知事が反対意見を押しきって壊してしまったんだとかゲロー

 

アラーエッディンの丘自体も、貯水池やマンションが作られたりで丘が沈みはじめ、そのせいでモスクの壁にヒビが入って来たりしているらしい…ガーン

 

あのさー…、もっと歴史を大事にねー!