一面のヒマワリ畑と「月の花」の謎 | 女郎蜘蛛のトルコ生活@イスタンブル

私が長年トルコでやりたかったことの1つに、「一面のひまわり畑🌻に行く」というのがありました。

 

 

 

7月末〜8月頭にかけての今年の犠牲祭は、ひまわりで有名トラキア地方に含まれる、チャタルジャとエディルネで過ごすことになったので…ヒマワリ、期待しちゃいます!

 

 

 

車がイスタンブルの西端にかかり始めると…

 

おお!

窓の前も後ろも一面まっ黄色のひまわり畑!!

 

 

 

 

行けども行けどもずっとこれ!!

 

 

 

それもそのはず、Googleアースでここの写真を見ると、ヒマワリ畑と思われる黄色いサイトがあっちにもこっちにも!

 

 

 

最初、今回チャーターした車のドライバーと

🙎「ひまわり畑はどこで見られるのかな、知ってる?」

🚙「いやぁ、知りませんけど、行ってから聞けばいいでしょう」

 

なんて会話してたけど、杞憂すぎたニヤニヤ むしろヒマワリが目に入らない場所を見つける方が難しいニヒヒ

 

 

本当に見渡す限りひまわり!

 

 

 

しかも畑の1つ1つが広大!

 

 

 

木立を散歩してても、通り抜けると先の景色が黄色い!

 

 

 

さて、私の希望は我が子たちのこーんな写真(↓)を撮ることだったんですが…

 

 

 

ひまわりって、背が高いのね!!葡萄みたいに、収穫しやすいように丈を低く育てたりしてないのね!!

だから、ちびっ子だと、完全に埋まってしまいます…チーン

 

 

 

それと、遠くから見ると密集して植わっているように見えても、近くに行くと畝というか、花と花の間がけっこう開いています。

 

 

 

なので、希望するイメージに撮るには、子供を抱っこの上、アングルカメラに工夫が必要。

 

まぁまぁイイ感じに撮れた!?ウインク

 

 

 

じゃあ今度は、同じ場所から私と子供たちを撮って!と、オットにカメラを渡すと…

 

 

 

ち・がーーーーうッ!!チューセンス無すぎだろ!

 

こうしてアルバムの中には、オットと子供たちの素敵な思い出だけが増えていき、私は不在…チーン

 

 

 

ヒマワリにひっきりなしにミツバチ🐝が来ているのでもしかして、ヒマワリの蜂蜜🍯なんてある?!と思ったら、ありました!トラキア地方の名物だそうで。

 

 

アカシア蜂蜜よりコクがありつつ、少し酸味もある味わい

 

 

さっそく養蜂家さんのお家に突撃し、できたて🍯を4瓶分けて頂きました!

 

聞けば、アピモンディア国際養蜂学会の開催する2017年度のコンテストで銅賞🥉に輝いたという蜂蜜ですが、直接買うので660ml入り1瓶50リラ(今のレートだと750円くらい)やっす!!

 

 

 

 

これだけのヒマワリがなぜ育てられているかというと、日本のキャノーラ油のようにトルコで使われる食用油にするためです。

 

 

 

オリーブオイルの産地トルコですが、一般市民には高価なので、特定の料理やサラダ以外はもっぱらヒマワリ油という家庭が多いです。

 

 

種を炒って塩味をつけたものは、トルコ人の大好きなスナック🍿としても消費されます。

 

 

 

 

口寂しい時に無限うずまきでむさぼれるコレは、口の中で殻をこじあけ中の核を高速で取り出す唇という高等技術を駆使しながら、大量の殻の残骸をうず高く積み上げながら食べるのがお決まり。

 

「誰が1番早く沢山ヒマワリのタネを食べられるか」のコンテストまである…💦

 

 

 

🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻🌻

 

 

ところで、トルコ語でヒマワリのこと、ayçiçeğiつまり「月の花」と言います。

 

世界中でsunflowerとかtournesolとかとか、太陽☀️にまつわる名前がついているのに、なぜトルコ語では月?🌝

 

まぁ、günebakan(太陽を見るもの)とか、 gündöndü(太陽に向いた)とかって呼び名もありますが、正式なのは「月の花」なんですね。

 

大昔に「トルコはイスラームの国なので太陽より月が好まれこの命名になった」という説を見たことあるんですが、イスラームの影響だとしたら、他のイスラーム圏のアラビア語やペルシア語でも同じなの?キョロキョロと思ったけど、


アラビア語では「دوار الشمس」って、これ「シャムス☀️」って単語入ってるじゃん!

ペルシア語では「آفتابگردان」で、これも「アーフターブ☀️」って単語入ってるじゃんよぉ!

 

 

 

ここまで書いて気になったので、調べたらトルコ語のひまわりの名称に関する論文が見つかりました。

読みたい方はクリック「DÜNYA DİLLERİNDE GÜNEŞ ÇİÇEĞİ OLARAK ADLANDIRILAN BİTKİ TÜRKÇEDE NEDEN AYÇİÇEĞİ?」

 

これによると、トルコ語以外にヒマワリを「月」に関する名称で呼ぶ言語は無いそうで…

 

他のテュルク諸語でも、キルギス語「kün karama(太陽を見る)」、 トルクメン語「günebakar(太陽を見る)」、 ウズベク語「kungäbåqar(太陽へ見る)」など太陽だそうで、唯一、カザン・タタール語だけ「aybagar(月を見る)」というらしい。

 

 

 

じゃあいつの時代から「月」のつく名前で呼ばれているのか?と古いトルコ語辞典や植物図鑑を調べても、ヒマワリの項目自体が無かったり、あっても前述のgünebakanなどのほか、güne tapan(太陽を拝むもの)günaşığı(太陽を愛するもの)など、太陽系の呼び名しか出てこなかったそうで。

 

現存する公文書で「月の花ayçiçeği」の表記が初めて登場するのは1888年だそうです。

 

 

 

結局この論文、結論としてはなんで月の花と呼ぶのか分からなかった」そうですが…チーンえ〜ッ

 

ayではなく、アヤaya(金色の測り皿)の花と呼んでたのが変化したんでは…という説と、aygün(月と太陽)という言葉を使った、方言辞書に出てくる aygün çiçeği(月や日の花)、 aygün aşığı(月や日を愛するもの)という呼び名が省略されたのでは…という説を出して終わっています。推測の域を出ないけどな。

 

まぁ語源なんてそんなものなのかな。

 

「月の花」と呼ばれているのがほぼトルコ語だけ、というのが分かったのが今回の学びでした〜。