風景が飛んで行く僕ら、一度たりとも動いた事ないんですね。他人から見た自分は確かに、ここからあそこへと動いたように見えます。でも自分から見た自分は、動かないんです。いつでもここにいるんです。自分の人差し指で、自分の顔の中心を指します。そのまま身体を動かして観ると、自分はここにいて、周りの風景が動いているのが分かります。電車や車に乗っている時も、同じです。自分はいつでもここにいて、木や建物が次から次へと、やって来ては去って行きます。他人から見た自分と自分から見た自分の違い。全く正反対なのです。