◆長嶋茂雄『野球は人生そのものだ』を読み解く



★要旨


・鬼のスパルタ教育に飛び込む。


・高校時代、小野秀夫さんを通じて、
立教大学のマネジャーが動き、
「うちの砂押がぜひともお宅の息子さんを預かって
六大学一のプレイヤーに育成してみたいと申しております」
などと父を口説いた。


・話を聞いているうちに、
契約金のことしか話さないプロ球団にうんざりしていた父は
感動さえ覚えた。


・厳しい指導をするから一番いいだろう。
役場の収入役でまじめ一筋の堅物は、
立教の砂押監督が「スパルタで人間をつくる」
というその言葉にコロリと参って
「お世話になります」
と即答していた。


・学校に行って留守だった私は、
あとで聞いてほんとに怒った。
なんで本人の気持ちを確認しないで、
そういう口約束をしたのか。
プロに行きたかった私の気持ちを踏みにじったと思った。


・月夜のノック。


・1954年、昭和29年、
立教大学に入学した。


・夕暮れまで練習し、やっと合宿所へたどりつくと、
飯を詰め込む暇もなく、
「長嶋、いるか、これから夜間練習をやる」
と特訓が待っていた。


・暗くて互いの顔すら見えない。
伝説となった月夜のノックだが、
伝説というものではなく本当にやったのだ。


・「いいか、長嶋、ボールをグラブで捕ると思うな。心で捕れ、心でっ!」

そのうち、
「おまえはまだグラブに頼っているのか。
そんなもの捨ててしまえ」
と怒鳴る。


・だが、素手で捕ると球際が強くなって変化に対応できるようになる。
一番やさしいところでバウンドを処理するのが、
フィールディングの極意だ。
真剣に球と勝負していくと、
それが分かってくるから不思議だった。


・今の選手にああいう厳しい練習をやれ、といっても、
不平不満が先行してやれないだろう。
「昼も夜も」という言葉があるけれども、
砂押さんはまさに夜の練習を重視したから、
これはたまらない。


★コメント
やはり、ある程度の猛練習、スパルタ教育は大切だ。