◆徳安茂『インテリジェンス大国バチカンの政治力』を読み解く
(なぜローマ教皇は世界を動かせるのか)



★要旨


・自分の言葉で話す、原稿を読まない教皇。


・少数精鋭のスピード外交と忍耐外交。


・世界中に張り巡らせれた情報ネットワーク。


・バチカンが誇るソフトパワー。


・欧州の歴史はバチカンが中心。


・欧州動乱の裏にバチカンあり。


・日本製品がバチカンの運営を下支えする。


・フランシスコ教皇の人気の秘密は、
類まれなるコミュニケーション能力もその一つに違いない。


・彼の原稿に頼らず、聞き手の目を見ながら直接、
自分の言葉で話しかけるというスタイルは、
とくに国際ジャーナリストの間では大好評である。


・ワインのような老人力。


・バチカンの世界にあっては、神童の天才性より、
老人の成熟と経験がより重要な意味をもつのである。


・あるワイン通のバチカン外交官は70歳であった。
彼はこう言っていた。
「最高品質のワインをつくるためには長い年月を必要とする。
私は自分自身を『熟成を続けるオールド・ヴィンテージ・ワイン』
だと思っている。
もちろんフレンチではなく、イタリアンだがね」


・世界中に張り巡らされた情報ネットワーク。
法王庁には、正式な外交使節からの情報のみならず、
世界各地に根を張った司教区や末端の教会から
上がってくる膨大な情報が蓄積させている。


・問題のある国においても
チャンネルを閉ざすことなく、
困難な活動を継続するバチカンの姿勢は、
宗教的な信念に下支えされているにせよ、
実利的な外交資産をともなっている。


・北朝鮮におけるバチカンの情報収集能力は
隠れた宝の山ともいえる。


・一見すると、さほど意味のない情報をつなぎ合わせ、
これまで得られた知見も加味して分析を施し、
「商品」に仕上げるのがインテリジェンスに携わる者の
腕の見せ所である。



★コメント
改めて、バチカンの隠れた情報力を垣間見た。
情報力には、歴史の積み重ねが大切だ。