◆伊藤敏『地図で学ぶ、世界史「再入門」』を読み解く


★要旨


・地図を読み解き、歴史を深読みしよう。


・地図を活用すれば、
文字や年表だけでは捉えにくい歴史の背景や構造が
鮮明に浮かび上がります。


・イギリスやフランス、オランダでは、
重商主義を進める過程で、商業や商人を保護します。
ここで問題なのは「商人には投資がつきもの」ということ。


・イギリスとフランスは、17世紀より海外市場をめぐって激しく争いました。


・イギリスとフランスの両国は、
北アメリカとインドにそれぞれ拠点を設置して進出しており、
双方の市場独占をめぐる対立が深刻になったのです。


・軍事力を背景に、ルイ14世は活発な侵略戦争を繰り返し、
これを阻止しようと他の列強諸国が同盟する、
という構図が形成されます。


・第1回十字軍に話を戻すと、
クレルモン教会会議での教皇の呼びかけは、
当時のヨーロッパの人々に熱狂をもって迎えられました。


・11世紀の後半になると、民族大移動が次第に落ち着きを見せ、
また気候の温暖化と農業の改良により、人口が増加したのです。


・死活問題だったのは領主たちで、
フランスを中心に長子相続が定着し始めると、
領主の次男以下は財産が分与されず、新天地に活路を見出したのです。
このため、十字軍で主力となったのは領主(教会や俗人を含めた聖俗諸侯)一族でした。


・十字軍は中世ではラテン語でPeregrinatioと呼ばれ、
これは「巡礼」を意味する言葉であり、必ずしも組織的な軍事行動とは限りません。


・また、イタリアの都市共和国ヴェネツィアが主導権を握った第4回十字軍(1202)では、
東ローマ帝国を一時滅ぼし、十字軍国家であるラテン帝国を打ち立てるなど、
次第に宗教的な目的から逸れた動向が目立つようになります。


・古代や近代といった時代区分には、
それぞれの時代を特徴づける大枠があり、これを「システム(世界システム)」といいます。


・古代の場合、これら領域国家や商業民族ですら、
一つの政治体に統合されていくのです。
それが、古代を特徴づけるシステムである、「世界帝国」です。


・王国は「(ほぼ)単一民族の国家」です。
無論、国王(君主)の存在は不可欠ですが、
その国家を構築する民族は、その大多数が同一の言語を扱う民族である、
といえます。


・一方で、帝国は「多民族国家」、
すなわち、様々な民族(あるいは言語・文化集団)を支配下に置く広域国家です。


★コメント
やはり、さまざまな視点から
歴史を見ると面白い。