◆蔵研也さん訳『ミレイと自由主義革命。世界を変えるアルゼンチン大統領』を読む




ニコラス・マルケス著
自由主義研究所、編。


★ポイント


・ハビエル・ミレイは
2023年12月にアルゼンチン大統領に就任してから、
わずか1年あまりの間に世界的に高く評価される改革を成し遂げています。


・アルゼンチンの快進撃は、
ハビエル・ミレイ一人の力だけで成し遂げられたわけではありません。
改革の初期に経済が悪化したときでも政権を信じ、
支え続けた国民がいたからこそ、
成果が出るまで改革を続けることができたのです。


・自由主義には段階がある。
ミレイは自身の思想を「無政府資本主義」だと公言しているが、
政策としてはより現実的な「古典的自由主義」や「最小国家」を目指している。


・.「今までの左翼政権のすべてがアルゼンチンの衰退の原因」とし、
痛みを伴っても「自由主義」での改革の必要性を訴えたミレイが
国民の支持を得て大統領に選出された。


・ハビエル・ミレイの台頭を、
「文化の戦い」という概念を使わずに理解することは難しい。


・文化そのものが
政治的対立の本質であるということだ。



・文化の戦いは極めて多様な分野で繰り広げられているのである。
ハビエル・ミレイの最大の強みは、
こうした文化の戦いを深く理解していることだ。


・ミレイはリバタリアンの経済学者として、
問題の根源が文化にあると判断した。


・アルゼンチンの経済的惨状は、
肥大化した無秩序な「国家介入主義」の産物であり、単なる経済政策の転換だけでは解決できないと考えたのだ。
同時に、その略奪と惨状を維持してきた「政治カースト」の
覇権的・社会主義的な枠組みを撤廃する必要がある。


・ミレイは社会学者や人類学者ではないが、
オーストリア学派の多くの理論を熟知している。


・ミレイは経済が政治や文化といった
他の社会システムと相互に関連していることを十分に理解しているのだ。


・ミレイの文化の戦いには、
従来の政治的・選挙的な戦いとは全く異なる論理がある。


・彼は、生命や自由、財産などの基本的価値や権利に強くコミットしており、
世論調査やフォーカス・グループの意見に左右されることはない。


★コメント
アルゼンチンの事例は、
日本においても、参考になる。
多くの点で、日本の政策に転用していきたい。