◆大西康之『起業の天才。江副浩正』を読み解く
副題
→8兆円企業リクルートをつくった男
★要旨
・東京大学在学中にリクルートを創業し、
グループ27社を擁する大企業に育てた江副浩正氏。
・1989年に「リクルート事件」で逮捕されるまで、
卓越したベンチャー経営者として脚光を浴び、
没後10年を過ぎた現在も高い評価が聞かれる。
・数学教師の息子に生まれた江副は、
誰にも経営やビジネス・マナーを教わっていない。
・祖父は佐賀の公務員であり、知り合いに商家の人間はいない。
・江副自身も大学を卒業してすぐ起業したのでサラリーマンの経験がない。
・会社を立ち上げて間もないころ、
マミヤ光機(現・マミヤ・オーピー)の創業一族で、
同級生だった菅原茂世(すがわらしげよ)に勧められてピーター・ドラッカーの『現代の経営』を読んだ。
・たちまち江副は、
マネジメントの神髄を説くドラッカーを「書中の師」と仰ぐようになる。
・自分が作った小さな会社で、
師が唱える「近代経営のマネジメント」を純粋に実践した。
・学園紛争で燃え上がったキャンパスでマルクス主義に傾斜することなく、
生きるためにアルバイトに精を出していた江副もまた、
理念より「神の見えざる手」を信奉する者のひとりだった。
・江副は『企業への招待』(のちの『リクルートブック』)で稼いだ利益を、
自社の人材確保に惜しみなく注いだ。
工場を持たないリクルートにとって、唯一(ゆいいつ)の生産設備は人材である。
・採用と教育に法外なカネをかけ、
日本リクルートセンターという柵(さく)の中にせっせと優秀な人材を囲い込んだのだ。
・江副は自分を含めた社員に対して
「こうしろ」とは言わない。
社員が常々、不満を持っている事業や、
自分が「やってみたい」とか
「変えなければいけない」と思っている事柄について
「君はどうしたいの?」と問いかけるのだ。
★コメント
過去にも、江副さんのような、
元気な起業家がいたことを忘れてはならない。