◆孫崎享『私とスパイの物語』を読み解く
孫崎さんは、
外務省国際情報局長、駐イラン大使などを歴任。
情報畑が多かった。
★要旨
・世界的女優の
マレーネ・ディートリッヒやオードリー・ヘップバーンから、
作家のアーネスト・ヘミングウエイに至るまで、「スパイの一面」があった。
・私はまず、イギリスの陸軍学校へ送られ、
ロシア語を学びました。
13人のクラスでしたが、そこには後にMI6の副長官になる男もいました。
・多くが軍人でしたが、
軍人でロシア語を学ぶというのは、
そちら(スパイ)の系統でしょう。
・外務省の「ベトナム・グループ」による、
米中接近の主張が現実となったものだから、
その反省として、外務省内に「複眼的分析」を行う国際情報局を設置したのです。
・後に安倍晋三首相の外交ブレーンとなる岡崎久彦氏が局長に就き、
私が分析課長になりました。岡崎局長は1980年代半ばに、
「これから東欧で大変革が起こる」と予測し、
1989年のベルリンの壁崩壊などで現実になります。
・思考の多様性、母国以外の価値観との接触は著名なスパイの特徴でしょう。
・CIA長官ウィリアム・コルビーは
戦後はローマ勤務、ベトナム戦争時のサイゴンでのCIA支局長を務めました。
・英国MI6の長官だった(1999年から2004年)
リチャード・ディアラヴはナイロビ、プラハ、パリ、
ジュネーブ、ワシントンに勤務しています。
・CIAのコルビーも、MI6のディアラヴも情報機関の長官として様々な国で、
母国以外の価値観と接触し思考の多様性を身に着けたのです。
・世界には依然、強力な情報機関があります。
彼らは手法を変えながら、世界政治に影響を与えています。
・狙いを定めた国、その政治家や社会への工作は執拗に続けられています。
時には殺害もある。
・ヒッチコック監督の『北北西に進路を取れ』は
スパイ映画の名作です。
★コメント
さまざまな文献から、
諜報のエッセンスを学びたい。