◆中山玲子『森岡毅。必勝の法則』を読み解く



★副題
→「逆境を突破する異能集団「刀」の実像」


森岡毅さんは、USJを復活させたマーケッター。


★要旨


・森岡毅率いる「刀」社内にあるのが、
需要予測や意思決定の正しさを判断するインテリジェンスチームだ。


・事業を手掛けるマーケターが「真実の番人」の異名をもつ同チームと密に意思疎通して戦略を練る。


・高い精度の需要予測に不可欠なのが、基となる正しいデータだ。
選ぶデータを間違えれば、導き出す予測も間違う。


・USJ時代、高い利益率の背景に高精度の需要予測あり。


・「必ず客数は伸びる」
数学的根拠示し巨額投資の同意得る。


・数学という科学的見地からのマーケティングに強みを持つ、刀率いる森岡毅。


・数学的な裏付けで450億円の巨額投資に踏み切ったユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)の
「ハリー・ポッター」エリア開業は入場客数を激増させ、「ホームラン」となった。


・ハリー・ポッターエリアへの巨額投資は、
当時の森岡にとって史上最大の賭けであり、挑戦でもあった。


・現・刀CIO(最高インテリジェンス責任者)の今西聖貴とそれぞれ開業によって増える入場客数を予測。
その結果から、少なくとも200万人の入場客を呼び込める可能性はかなり高い。
森岡はそう読んだ。


・「ハリー・ポッター」エリア開業当時のUSJの入場券は大人1人6980円。
入場客が年間200万人増えるとその効果は、
入場料金だけでも単純計算で140億円にのぼる。


・強みに振って大決断。
見つけた唯一無二の武器が数学だった。


・今でこそ、森岡にとって最大の武器となった数学マーケティング。
だが、最初から順調にそこにたどり着けたわけではない。遡ること約30年前の、ある挫折から物語は始まる。


・神戸大学経営学部を卒業後、
新卒入社したプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)の日本法人で2年目に入っていた森岡は、
壁にぶち当たっていた。


・森岡が学生時代に得意とした科目は数学。
一方で不得意だったのは国語だ。
理由は、理数系科目に比べると「解がはっきりしない」印象があったから。


・客観性が高く、
誰が見ても分かりやすい明確な数字が解として出る数学に比べると、
国語の解は問題作成者の主観さえ入っているように思えた。


・「かわいい」がわからない


・「これ、かっこいいね」
「このデザインの方がすてきですね」

神戸市にあるP&G日本法人のオフィスで、
同社のマーケターらがシャンプーのボトルのパッケージについて話し合っていた。
どんなデザインにすれば消費者が手に取ってくれるか。


・社員がそうした議論をするのは、消費財を扱う企業なら日常の風景だ。
だが、当時の森岡にはそうした感覚がさっぱり分からなかったのだ。


★コメント
森岡メソッドの背景が、わかりやすく書かれている。

学びとりたい。