◆河野克俊、解説『海軍兵学校生徒心得・復刻版』を読み解く
★要旨
・エリート養成機関である海軍兵学校を支える精神的基盤は名誉だ。
・分隊名簿は分隊の名誉を記録し
分隊の歷史を後世に残すことを目的とする。
・その記録簿には日々の出来事のみならず、
時間ごとに変わりゆく気象まで精緻に記す。
気象に習熟するための訓練の一環だ。
・巡航の目的は、
不撓不屈の精神の錬成にあり。
・冬季の過ごし方で、
木炭で暖をとるのはNGだった。
・本書の「海軍兵学校生徒心得」は井上成美校長の時に編纂されたもので、
時期は昭和十九年八月である。
まさに終戦一年前だ。
・この心得は、
精神教育から兵学校の編成・役割、
日々の生活から学校行事、
休暇、外出上の注意事項に至るまでこと細かに記述されており、
まさに兵学校生徒にとっての必携のハンドブックと言える。
・本書の内容を突き詰めると
要はシーマンシップをいかに涵養するかに集約されていると思う。
・シーマンシップとは、
古くは帆船時代の航海術を起源として、
今日まで、長年にわたり艦船の運用を中心として培われてきた経験や知恵に基づいて、
海という大自然が織りなす千変万化の多様な状況に
柔軟に対応するための動作・躾である。
★コメント
いにしえの帝国海軍から学ぶことは、多い。