◆渡辺恒雄『自民党と派閥。政治の密室』を読み解く



★要旨



・選挙と密接に絡むのが政治資金だ。



・派閥はこれまで、

資金集めと配分で、重要な役割を果たしてきた。



・派閥や政治家個人の

金集めの新たな舞台となったのが、

政治資金パーティーだった。

自民党の各派閥にとって資金パーティーは重要な収入源だ。



・自民党の派閥形成は、

党首である総裁の選出を究極の目標としている

「総理大臣への道」であることに変わりはない。



・昭和35年の総裁選で、

候補者大野伴睦を探していた私は、

ようやくその秘密の部屋のひとつに、

もぐりこむことに成功した時、そこにふたつのボストン・バッグが無雑作においてあるのを見た。



・それに、三億の実弾が入っていると教えられた時、

私は、そこから一種の妖気のようなものを感じ、

ゾッとしたのをおぼえている。



・今日の政界で、権力を保持し続けるためには、

行動の転換の迅速さは、

必須の条件であるように思われる。



・大野伴睦と河野一郎、

二人の党人の敗北には、多くの共通点がある。

まず、勝者がいずれも高級官僚出身で、

かつ大蔵大臣の経験者であったこと。



・第二に、二人とも、現首相との密室の約束を信じ、

裏切られたということ。



・これは、

密室の取引きに、大きく依存しようとした党人派の敗北であり、

実力(金力)をバックに、

正攻法で多数派工作を展開した官僚派の勝利であった。



★コメント

政治の裏側を垣間見た。