◆外山尚之『南米。ポピュリズム大陸』を読み解く



★要旨



・南米大陸の現状は、

財政状況が危機的で通貨安が

深刻になりつつある中にも関わらず、

主要政党がそろって票欲しさのために

現金ばらまき策に走る、

というものだ。



・本書は日経新聞のサンパウロ支局長として、

2017年4月から2021年9月にかけ、

ブラジルを拠点に南米大陸各国で

取材してきた経験をもとに執筆している。



・スマホ1つで世界中の情報が手に入る世の中だが、

私は特派員として、

可能な限り現場におもむき、

現地の人々の声を聞くように心がけた。



・そこには既存の政治や社会に対する人々の怒りがあり、

絶望があり、

そして希望があった。



・中南米はかつて米国の「裏庭」と呼ばれ、

よくも悪くも米国の影響が大きい地域だ。



・言論面でも国内外問わず反米・親米といった、

イデオロギーに縛られがちだが、

それが現実に即していないことは明らかだ。



・ブラジルが誇る天然資源や広大な農地が持つ、

ポテンシャルは疑いようもない。



・鉄鉱石や穀物、食肉などの1次産品は

世界的にも高い競争力を有しており、

ロシアによるウクライナ侵攻で揺れるエネルギー市場でも

ブラジル深海油田産の原油の重要性は増している。



・IT産業でも世界中から投資マネーを取り込み、

ブラジル発のユニコーン企業が多数誕生している。



・問題は政治であり、社会であり、

それを構成する人々ある。

大きすぎる格差、政財界の汚職体質、悪化する治安。

課題そのものは何十年も前から

問われ続けている。



・日本に住んでいるとおどろしいニュースや、

映像ばかり飛び込んでくるブラジルだが、

実際に住んでみるとこれほど素晴らしい国はない。

人々は子どもたちに優しく、多様性に満ちている。



・カーニバルの時期になればサンバのリズムが

街角に鳴り響き、週末のサッカーの試合のたびに

街中が歓声に包まれる、

愛すべき人々が暮らすのが、ブラジルなり。



★コメント

やはり、南米は面白い。

訪れてみたい場所である。