◆一田和樹『ウクライナ侵攻と情報戦』を読む
★要旨
・コロナ禍の中で陰謀論のコミュニティに
ロシアは深く食い込んでいた。
・陰謀論のコミュニティの影響力は
想像以上に大きく、選挙にも影響を与えた。
アメリカ議事堂襲撃事件のような事件にもつながった。
・日本から見える景色は、グローバルノース、
それも主としてアメリカを通したものがほとんどである。
グローバルサウスは、見えていない。
・ロシアは、世界トップレベルのネット世論操作大国なり。
・ロシアのプロパガンダツールは、世界に展開している。
・ロシアは、シリア、チェチェン、ウクライナに関する、
デジタル影響工作キャンペーンを繰り広げ、
アメリカのBLMに干渉し、大統領選挙まで影響を与えた。
・ロシアは、中国と並ぶデジタル権威主義大国なり。
・どちらの国も監視システムを持ち、
ネット世論操作を行っており、
超限戦あるいはハイブリッド戦と呼ばれる、
軍事、経済、文化などすべてを兵器として、
利用する戦争を世界に対して行っている。
・ロシアの監視システムは、
中国製に比べると監視性能は劣るものの、
安価で導入しやすい。
監視機能が劣る部分を法制度などでカバーしている。
・そのシステムの多くは、
旧ソ連関係国を中心とした近隣国に提供されている。
効果的な運用のために、
法制度もロシアを真似している国もある。
・デジタル権威主義国家の特徴のひとつに、
ツールを他国に輸出することによって仲間を増やし、
影響力を増大させることがある。
中国もロシアも、デジタル権威主義ツールを
関係国に輸出している。
・中国は、デジタル権威主義ツールを
一帯一路参加国を中心に輸出、展開している。
同様に、ロシアはユーラシアを中心に輸出している。
★コメント
ロシアなどの手法を学ぶことで、解毒剤としたい。