◆石井徹也『十代目・金原亭馬生』を読み解く



副題→「噺と酒と江戸の粋」



★要旨



・金原亭馬生(きんげんてい・ばしょう)は、

古今亭志ん生の長男として、

昭和3年に生まれた。



・まわりの志ん生への反感から、

先輩の噺家仲間による数々のイジメにあい、

人生の辛酸を嘗め尽くしてもいる。



・馬生は、志ん生を父に、志ん朝を弟とし、

江戸の粋を伝えて、早世した。



・馬生は、端正洒脱な芸風で、

日常では酒を好んだ。



・30代まではあまり注目を浴びなかった。

しかし、昭和44年、新人賞を受賞。

多くの弟子を育てた。



・絵画をはじめとする古今東西の美術全般、

俳句、舞踊などの素養が豊かであった。



・リアリズムや芸術性を志向する噺家に

伴いがちな「自己顕示欲のいやらしさ」が

全くなかった。



・「落語らしさ」「東京人らしさ」こそが、

十代目馬生の世界である。



・速記を読み、録音・録画を視聴するだけでは

理解しえない、直接その高座に接して

初めて魅力と凄さが分かる点では、

口承芸能の典型のような芸の持ち主でもあった。



★コメント

伝統芸能から学ぶところは多い。

学び続けたい。