◆倉山満『参議院』を読み解く
★要旨
・日本の政治は衆議院で動くのではなく、参議院で動く。
・参議院を制する者は、日本の政治を制する。
・参議院を笑う者は、参議院に泣く。
・実際、
参議院選挙に負けた総理大臣は右往左往し、
政局の運営に行き詰まることは、
歴史が証明している。
・昭和31年(1956)から
参議院議長を務めたのは、
吉田茂の指南役の松野鶴平である。
・松野鶴平は、
戦前に立憲政友会幹事長をつとめた大物政治家だ。
「ヅル平」のあだ名で、
機を見て、吉田や鳩山一郎を使い分ける、
党人政治家である。
・松野自身は、
独自の派閥を持たなかったがゆえに、
衆議院議員である派閥の領袖に対し、
権衡関係を保ち、一定の影響力を持った。
・政界には「参議院は、二軍」と
格下扱いする風潮があるが、
本物の政治のプロでそういう舐めた態度の人は、
戦後政治史で一人も知らない。
・参議院を重視するのが、本物の政治のプロである。
・青木幹雄は、
普段はほとんどしゃべらないのだけれども、
鶴の一声でまとめる人、
そういう人である。
・青木幹雄は、
その経歴やエピソードから
竹下登の真の側近、裏の側近だとわかる。
・青木は、
本物の権力だけが大事なのであって、
マスコミに出る気など、さらさらなかった。
徹底して、表に出ない黒子であった。
・派閥政治家の小泉純一郎は、参議院の重要性を熟知していた。
・小泉からすれば、
青木さえ味方にしておけば、
他すべてを敵に回しても怖くなかった。
・小泉は、
「派閥の閣僚推薦リストは受け取らない」
と宣言して実行していたが、
参議院の入閣は、
すべて青木の推薦リストに基づいて行われた。
・安倍内閣が長期政権になったのは、
日銀人事に勝ち、参議院選挙で勝ち続けたからである。
・参議院の掌握なしには、
安定政権を築くことも、政権交代をすることもできない。
★コメント
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