◆小泉悠『ロシア情勢。KGB出身者の世界観』講演録メモ。



★要旨



プーチンは、昔の仲間との関係をなかなか切れない。

切らない。



ワグネルのプリゴジンは、刑務所を出て、

露店からレストランを出して成功したというストーリーがある。

それはカバー・ストーリーといわれている。

本当は、サンクトペテルブルクで闇カジノをやっていたとのこと。



当時、サンクトペテルブルクで副市長であり、

闇カジノ撲滅委員長だったプーチンは、プリゴジンのカジノだけ許したといわれる。

そのかわり、プーチンはワイロをもらっていたとのこと。報道ベース。

そのため、プリゴジンはプーチンの過去を知っている。



KGB出身者たちは、経済無知である。

タチが悪いのは、経済を知らないのに、

オレたちは情報機関出身者だから、経済を知っているぞ、

と謎の自信があること。



イワノフは、英国駐在経験があるにもかかわらず、

イギリスは国家の下で経済が管理されていると、発言していた。



プーチンは、情報機関のレポートを信頼している。

FSBのレポートを読んでいるので、

情報と状況をきちんと把握していると考えている。

西側の報道やニュースは、プロパガンダされていると思っている。



・FSBなども最初はきちんとしたレポートをあげていたが、

プーチン政権が長くなり、

だんだんと忖度するようになった。



FSBもウクライナに入って、世論調査のようなことをやっていた。

今回、ロシアがウクライナに侵攻すれば、

相当いやがられる、嫌われる、と薄々気づいていたが、

プーチンへのレポートでは、ロシア軍が入れば、

ウクライナの国民に歓迎される、と書いていたようだ。



ロシアの経済について、一般の国民生活には、そこまで影響は無いようだ。

食料もエネルギーも問題なく、足りているようだ。



ロシア国内において、今回の戦争は、

日本のかつての日華事変や満州事変などのようなものではないか。

どこか遠いところで兵隊さんが戦っている、

自分たちの生活には影響がないということ。



兵士たちも、モスクワやサンクトペテルブルクなどの

大都市からは徴兵されていない感じである。

地方の少数民族から徴兵されている。



西側の経済制裁についても、

ロシアの財政や政府高官やオルガヒなどに

焦点を絞っているように思われる。

一般国民には、影響しないようにしている。



制裁により、ハイテク機器が入らなくなり、

次世代兵器やハイテク兵器が作れなくなっていると思われる。

そのようなハイテク機器や部品は、

ますます中国に依存していくであろう。



ローテクな兵器は、きちんと作られているようだ。

榴弾砲のタマなどは、生産が追いついており、

工場は回っていると見受けられる。



ロシアは、石油や天然ガスの収入で、

今まで1日500億円ぐらいあった。

現状は、1日300億円ぐらいに落ち込んでいる。



ロシアが本気で総動員をかけたら、恐ろしいことになる。

第二次大戦の大祖国戦争の記憶が蘇ってくる。

本当に国家存亡の危機になったら、ものすごく力を発揮する。


 

 

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