◆原田武夫『狙われた日華の金塊』を読み解く
副題→「ドル崩壊という罠」
★要旨
・「日本」や「中国」といった欧米流の国民国家は
そこでの主役ではない。
双方にまたがる形で脈々と受け継がれてきた、
非公式な人的ネットワークが貯め込み、
管理してきた金塊なのである。
→
アメリカ勢はかねてよりこれに目をつけ、
自らのものとするために画策してきた。
・アメリカ勢が「計画破産」までして
奪おうとしているのは、
日本勢と華僑・華人ネットワークが
退蔵する「簿外資産」である。
・ミンダナオ島に眠る「黄金の百合」。
・私の耳にとある「マーケットの猛者」から
一つの非公開情報が飛び込んできた。
もっとも信頼のおける金融マーケット指南役となっている
彼が教えてくれたのだ。
→
日本勢と中国勢は、実のところ共同で金塊を管理している。
その莫大な量の金塊は、フィリピン・ミンダナオ島にある
地下金庫に置かれている。
→
現場で直接管理しているのは、バチカン銀行。
この島を跋扈しているいわゆる「反政府ゲリラ」は
金庫の見張りをする傭兵たちだ。
金塊の量はまさに「莫大」の一言に尽きる。
→
わかりやすように日本勢と中国勢といったが、
この仕組みのトップにあって
全体を差配しているのは政府ではない。
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中国勢においては
華僑・華人ネットワークの最高幹部たち、
日本勢においては旧華族や旧軍人たちの間の
緩やかなネットワークである。
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このネットワークが差配している金塊は、
この数十年で集められたものではない。
大航海時代より始まる東西交易の中で、
東アジアへ徐々に集まったものである。
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もちろんその流れの中で、
旧日本軍による東南アジア、
とりわけインドネシアにおける金(ゴールド)の簒奪があった。
しかしなぜそれがインドネシアだったのかといえば、
そこがまさに香辛料貿易の拠点であり、
富の集積地点だったかただ。
→
いずれにせよ、アメリカであれ、英国であれ、
日本勢と華僑・華人による緩やかな人的ネットワークが
管理しているこの金塊の全貌を把握していない。
その意味で、彼らによる東アジア統治とは、
実のところレベルの高いものではないのである。
・フィリピンがなぜ華僑・華人ネットワークにとって
重要だったなのかと言えば、
そこがアジアにおいて実に500年近くにもわたって
決済手段として流通する「銀」の集積ポイントだったからである。
・まずもって大切なのは依存心をなくし、
自分の人生は自分で切り開いていくのだ、
という気概と同時に、
結局は「他者」を思う行動が「自己」にとっても
最大の利益をもたらすのだということを知り、
そのとおりに行動していくことだろう。
★コメント
あらためて、世界史、とくに東アジアの歴史を学びなおしたい。
そこに何かヒントがあるに違いない。