◆池上俊一『王様でたどるイギリス史』を読み解く
★要旨
・イギリスは、
「女王と英語とBBCの国」
といわれることがある。
・王室の宣伝効果や経済効果は大きく、
無視できないイギリスを代表するソフトパワーなり。
・王室メンバーの外国訪問は、企業関係者を伴い、
英国製品の売り込みや、市場開拓とセットになっている。
彼らは最良の広告塔「英国一のセールスマン」なり。
・海賊としての女王。
・エリザベス一世の時代、特筆すべきことがある。
英国は大航海時代の新世界開拓にスペインやポルトガルより
遅れて参加したが、その海軍力増強により、
たちまち優位に立つことになる。
・だが海軍力といっても、その主力は、
私的な「海賊」だった。
海賊が活躍したのは、
16世紀後半から17世紀初頭のこと。
・海賊行為のうち国家あるいは国王が
公認しているものを「私掠(しりゃく)」という。
・具体的には、海賊ドレイクが、
大西洋上でスペインの財宝を積んだ船を襲って、
奪うことを繰り返した。
彼は1577年から1580年に
スペイン植民地から運ばれる金銀財宝を
さんざん略奪したが、女王は目をつむった。
・1588年、ドレイクは、
「無敵艦隊(アルマダ)」とよばれる
スペイン艦隊130隻を後ろから襲って砲火を浴びせ、
パニックに陥らせた。
その後、制海権はスペインからイギリスに移り、
後者による北アメリカ植民も行われていく。
・エリザベス一世は、
英国国教会を確立させるとともに、
経済通の中産階級出身の政治家を多く登用して
英国を繁栄に導いた。
とくにウィリアム・セシルは、
国務卿、大蔵卿として40年間、女王を支えた。
★コメント
清濁あわせのむ、イギリスの歴史について研究したい。