◆原田武夫『騙すアメリカ、騙される日本』を読み解く




★要旨



・「モノ」に対し「カネ」が相対的に多いという状態、

それがすなわち「インフレ」である。



・それでは「モノ」、すなわち「資源・商品」を今、

世界で最も精力的にかき集めている国はどこの国だろうか。

米国である。



・北朝鮮であれ、イラクであれ、

米国の「奥の院」が触手を伸ばす国・地域には、

大量の資源がいつも眠っている。



・私たち日本人の前では「親日的共和党」、

あるいは「日本とは距離のある民主党」

と演じられてはいるものの、

実際のところそういった党派的色彩は「演出」にほかならず、

その舞台裏には、「奥の院」として厳然たる、

一つの「国家意思」があることを見落としてはならない。



・米国における陸海空三軍の最高指揮権は、大統領にある。

しかし「常勝軍」である米軍が米国内に対して持つ、

政治的象徴としての意味合いはあまりにも大きい。

とりわけ大統領選挙になると、

米軍は巨大な政治勢力と化す。



・米軍は大統領すら恐れぬ、非民主的な「奥の院」の典型なのである。



・このような非民主的な「奥の院」は米国にはさらに2つある。

その一つが「情報機関」である。

有名なCIAは、米国政府が持つ情報機関の氷山の一角にすぎない。

じつはアメリカにはそれ以外にも、

とりわけ米軍傘下に無数の「情報機関」が存在しており、

それらが総体として

「インテリジェンス・コミニティ」を形成している。



・「奥の院」としての米国の情報機関は、

国内における「党派的色彩」という演出とは

まったくの無縁の存在となっている。



・さらにもう一つ、

米国の「奥の院」として無視できない、

いや、そもそも「奥の院」の総本山として無視できない存在がある。

それはいわゆる「パワー・エリート」という

閉鎖的な集団の存在である。



・アメリカの経営者やセレブにはなくて、

パワー・エリートが持っているものが一つだけある。

それは「血縁」である。



・こうした米国の「奥の院」である3つの要素、

つまり表面上の民主的ルールとはまったく合致しない、

3つの構成要素が、米国社会の中で

一つのネットワークを織りなしている。



・軍隊という「物理的強制力」と、

情報機関という「情報力」、

そして移民国家アメリカには稀な血筋という

「閉鎖的ネットワーク」を併せ持った集団が存在することを、

外交官としての職務を全うする中で、

私は偶然知るに及んだ。



・日本の強みは、一般に「弱み」「問題点」として

糾弾されることの多い既存の「構造」にこそある、

ということである。

「談合体質」「封建的」「権威主義的」など、

あえて逆手に取った形で、再評価していきたい。



・いわば日本人が「つるんでいる状況」こそが、

マーケットあるいは社会の外にいる者からすれば

不可解であり、脅威の対象なのだ。



・冷戦構造崩壊後の米国外交の動きを見ていると、

表面的な主張はともかく、その背後には、

「資源」確保という命題があることに気づく。



・イラク(原油)、北朝鮮(鉱物資源)といった「問題地域」には、

いずれも莫大な資源が眠っている。



「カネは天下の回りもの」

という諺にいうとおり、

米国によってつくられた「日本の失われた十年」の

仕組みを知った方々は、

今度は応用問題を解くつもりで

中国に仕掛けてみればよい。



・中国あるいは台湾といった

地図上の「中国系国家」の陰に隠れつつ、

血縁として圧倒的な団結力を誇る華僑・華人集団が狙っているのは、

むしろ日本であることを忘れてはならない。



・経済の世界ではもはや「仁義なき戦い」が

始まっているのである。

そこに過去に対する「感傷」は必要ない。



★コメント

激動の時代と世界を悲観することなく、

それを面白いチャンスと捉え、サバイバルしていきたい。


 

 

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