◆菅原出『ウィキリークスの衝撃』を読み解く



副題→「世界を揺るがす機密漏洩の正体」



★要旨



・ウィキリークスは、

アメリカ国防総省や国務省の数十万点におよぶ

機密文書を内部告発者から入手し、

自分たちのウェブサイトで公開し続けた。



・ウィキリークスが暴露したのは、

世界各国の首脳同士の会話の内容を記した議事録や、

知られざる国家の内部情報や、

国家間の水面下の暗闘を分析した報告書、

それに戦場の最前線で暗躍する諜報員たちの、

秘密の活動を伝えるインテリジェンスだった。



・ジュリアン・アサンジは、

1971年、オーストラリアに生まれた。



・母親の強い信念から、

アサンジはなんと学校に行っていない。

通信教育や家庭教師を雇うなど、

基本的に家庭で教育された。

彼は本を貪るように読み、独学で多くのことを学んだ。



・アフガン政界に影響力を持ち始めたイラン。



・2010年代、イランはアフガニスタンの議会選挙でも

大量の現金を配ってアフガン政界に隠然たる影響力を持ち始めた。

この辺はイラクと状況が似ている。



・戦国時代を思わせる権謀術数の限りを尽くした謀略戦が、

アフガニスタンで続けられている。



・2009年12月30日、

米国諜報史に残る大惨事が起こった。



・アフガニスタン東部のホースト州にある

CIAの基地で自爆テロが発生。

7人のCIA要員と1人のヨルダン政府関係者が死亡した。



・この小さな基地を指揮していたのは

CIAきってのアルカイダのエキスパートである。

過去14年間にわたってアルカイダを追い続けたこの女性は、

このテロ組織に関しては「百科事典」のような知識を持つ専門家だったが、

このテロで死亡した。



・アフガン南部最大の都市カンダハル。

タリバン運動発祥の地であり、

いまだにタリバンの影響力がもっとも強いといわれる、

この人口50万人の都市に、

2010年、米軍は大攻勢をかける計画を立てた。



・「オバマの戦争」の行方を左右するこの重要な戦闘を前にして、

米国とアフガン政府に亀裂が入った。

このカンダハルがタリバンにとっての拠点であるだけでなく、

じつは当時の大統領カルザイにとっても、

その権力を維持するために不可欠な利権が集中している場所だったからだ。



・当時のオバマ政権内で大きな問題となったのは、

カンダハルの「カルザイ利権」の中心にいる同大統領の

弟アフメド・ワリ・カルザイの存在だった。



・ワリ・カルザイとその取り巻きは、

麻薬取引などで得た不法な資金を使って、

カンダハル州政府をコントロールし、

その腐敗の元凶になっていた。



・2001年のアフガン戦争以降、

彼がカンダハルで「王国」を築けた背景には、

アメリカの暗黙の了解、

いやそれ以上の後押しがあったといわれる。



・CIAは、現地スタッフのリクルートから複雑な部族間の情報、

敵の動向に関するインテリジェンスまで、

ワリ・カルザイに依存してきており、

それゆえカルザイやその取り巻きの不法行為に

目を瞑ってきたという背景がある。



・カルザイ・ファミリーは、

米軍の兵站支援業務でも巨利を得ており、

カンダハルを拠点とする軍閥や犯罪組織と利益を分け合っていた。



・カルザイの従弟が支配したワタンという企業グループは、

カブールからカンダハルへの主要幹線道路のセキュリティを牛耳っていて、

事実上、米軍向けの軍用物資の輸送&補給ラインを押さえていた。



・こうしたトラック輸送の際に、

地域の武装勢力に対していわゆる「ショバ代」を支払うことで、

トラック輸送の安全を確保しており、

この武装勢力にはタリバンも含まれていた。



・つまりカンダハルを中心に、

カルザイ・ファミリーと地方の軍閥や武装勢力、

タリバンまで巻き込んだ巨大な利権の構図が

存在していたのだ。



★コメント

凄い世界で世の中は回っている。

つねに好奇心をもって生きていきたい。


 

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