◆原田武夫『日本封じ込めの時代』を読み解く
副題→「日韓併合から読み解く日米同盟」
★要旨
・日韓併合の証文はどういうわけか、
日本人の手ではなく、米国人の手中にあるのである。
・統治する日本、統治される朝鮮。
統治する米国、統治される日本。
この二重構造を踏まえるときにはじめて、
日本を媒介としつつ、戦前の朝鮮と現代の米国とが、つながってくる。
・日本を統治するため、
日本を知り尽くす必要があったからこそ、
米国は日本自身による朝鮮半島に対する統治のやり方を
学ぶ必要があったのだ。
・東アジアの金融システムは「真空地帯」であった。
・率直にいって、
日本が朝鮮半島の統治を志し、
かつそれを維持し続けた根源的な理由は、
金融システムにある。
・現に日本は韓国への内政干渉を開始するや否や、
まず最初にその金融システムの改革に着手したのである。
・欧米列強は、
世界各地で植民活動を行うにあたり、本国からの資金を融通し、
植民地の現地経済における資本形成を促すために、
いわゆる「植民地銀行」を設立するのが通例であった。
・経済において金融がもつ位置づけとは、
言ってみればヒトの肉体において血液が持つ意味合いに等しい。
いくらハコものがあっても、
金融、すなわちマネーがそこに回らなければ経済は潤わない。
・東アジアは、植民地化が進んでいなかった分、
当然、列強にとって都合の良い金融システムの
未整備な「真空地帯」なのであった。
遅れて近代化を目指した日本にとって、
こうした真空地帯の存在は、
列強に追いつく絶好のチャンスでもあった。
・清帝国からの借款引受という金融ビジネスが開花することで、
東アジアでは一気に植民地銀行による利権争いが
本格化していく。
明治政府がそのことに気付かなかったはずもない。
・後発資本主義国である日本が勝ち残る可能性は少ない。
そこで明治政府が、
「手ごろであり、同時に利潤の大きな金融マーケット」
として目をつけたのが朝鮮半島だったのである。
・日本における米ソの情報合戦。
戦後、米国による単独占領にまず異議を唱えたのは、
ソ連であった。
・ソ連が対日占領に絡もうと必死に努力していた背景の一つには、
戦前、ソ連が日本国内に張り巡らせた諜報網を、
いまや日本の「統治者」となった米国が把握することを
極度に恐れていたという事情がある。
その際、米国のターゲットの一つとなったのが、
「ゾルゲ事件の残党」であった。
・外地の金融ネットワークを接収する「ビジネス」。
・GHQのいう「経済の非軍事化」とは、
要するに東アジアから英米以外の勢力を徹底的に駆逐することを
意味していた。
・日本が外地で戦前に築き上げた金融ネットワークは、
米国にとってみれば「お宝」である。
万が一、日本側が暴発して、
それに傷がついてしまっては元も子もない。
・日本の大陸進出にあたって屋台骨となった、
金融ネットワークの頂点に位置する朝鮮銀行を、
南朝鮮で接収した米軍関係者たちは、
あきらかに金融のプロなのであった。
・日本による朝鮮統治のなかで
戦略的に成功したのは何かと言えば、
金融をめぐり一貫して半島制覇を狙い、
またそれを実現したことだろう。
★コメント
歴史には様々な裏があり、それを追究していきたい。
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