◆東谷暁『世界史を変えた詐欺師たち』を読み解く
★要旨
・歴史をひもとけば、
人間はにわかに信じられないような事をしでかしてしまうことがある。
・ジョン・ローは、ただの紙切れを使って、
赤字に陥ったヨーロッパ最大の王国を立て直そうとした男である。
・18世紀、フランスの国家財政は回復の見通しがつかず、
政府が必要とする毎年の支払を可能にする方法すら見いだせなかった。
・このとき、摂政のオルレアン公が目を付けたのが、
ジョン・ローという人物だった。
・この男は、
「紙の貨幣を印刷すれば、すべて解決するだけでなく、
フランスのさらなる繁栄も可能になる」
などと吹聴していた。
・そもそも、ジョンローは得体の知れない博打打ちに過ぎなかった。
ヨーロッパ中を放浪した末に、
パリにたどりついたというなんとも怪しげな経歴の持ち主である。
・それなのに、博打の才だけでなく際立った容貌や如才ない会話、
そして豊富な金融の知識で、婦人を含む貴族たちの歓心を買い、
彼らのサロンの人気者になっていた。
・ヨーロッパ放浪で得た経済知識。
・大陸に渡ったジョンローの足取りは知られてなかったが、
しばらくするといくつかの国に痕跡を残すようになる。
各地の賭博場を転々とする生活を送った。
・かつてロンドンで見せたような力ずくで
勝負に出るやり方は影をひそめ、
数学的才能を駆使し着実に勝ちにゆく、
老練な賭博師に成長していた。
・決闘で人を殺めた賭博師ジョンローは、
いつの間にか、経済学者、経済政策家に変身していた。
・父親の仕事であった金匠銀行家の証書発行という行為や、
彼の数学的才能に加えて、
ヨーロッパを放浪する間に見聞した経済の実態についての知識が、
彼を大きく飛躍させたとしかいいようがない。
★コメント
経済と歴史の関係は、おもしろい。
つながっている。
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