◆峯村健司『ウクライナ戦争と米中対立』を読み解く
副題→「帝国主義に逆襲される世界」
以下の方々と対談集。
→小泉悠、鈴木一人、村野将、小野田治、細谷雄一。
★要旨
・練り上げた仮説が覆ったときこそ、真実に迫ることができる。
→四半世紀にわたりジャーナリストとして、
アメリカや中国の政府当局者らにインタビューをしてきた経験から導いた真理だ。
・事前に資料を徹底的に読み込んだ上で、
仮説を打ち立てて想定問答をつくる。
準備にかける時間は、最低でもインタビュー時間の10倍。
・毎回、「知的武装」をしてから当局者らへのインタビューに臨んできた。
時にはあえて相手を激怒させることで、
本音を引き出すこともあった。
私にとってインタビューとは、「知的決闘」だった。
・ロシアを勝たせてはいけない。
・ロシアとウクライナの兵力は、じつは互角なり。
(小泉悠)
・ロシアの軍事理論には、「破壊戦略論」の系譜と「消耗戦略論」の系譜がある。
・破壊戦略論を唱えるのは、要するに新しいものが好きな連中。
戦車と航空機で電撃的に勝利を収めようという話とか。
近年では、情報戦とサイバー戦を組み合わせたハイブリット戦争の考え方。
革新的なテクノロジーを重視する。
しかし、これはロシア軍の本流ではない。
・ロシア軍において、伝統的に強いのは、消耗戦略論のほう。
破壊戦略論的なサプライズ・アタックをかけても、
ある程度の大国は、それだけでは崩壊しない。
・相当の損害を受けながらも、
国家は長期にわたって戦い続けられる。
それが消耗戦略論の根底にある考え方なり。
・ロシア軍の前提として、
「戦争とは長くやるものだ」と考えている。
・ロシア人は、あれだけ手酷くやられても、勝てたという自信がある。
・独ソ戦において、
ロシアは4年間で2000万人以上もの国民を死なせたわけ。
それでも、勝ったことが彼らの成功体験になっている。
・われわれの感覚では、ウクライナ侵攻からもう半年以上も戦っていて、
何万人もの死者が出ているのは大変なこと。
しかし、プーチンや参謀本部の将軍たちの頭の中では、
まだまだ序の口と思っている可能性がある。
★コメント
やはり相手国の思考を熟知して分析しないと、
よい解決策は見つからない。
膨大な情報収集と分析を心掛けたい。
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