◆岡田英弘『モンゴル帝国の興亡』を読み解く
★要旨
・モンゴル帝国は、東の中国世界と
西の地中海世界を結ぶ「草原の道」を支配し、
それによって世界史の舞台を準備した。
・モンゴル帝国が、
ユーラシア大陸の陸上貿易の利権を独占してしまった。
・そのためその外側に取り残された日本人と
西ヨーロッパ人が活路を求めて海上貿易に進出した。
・そのため歴史の主役が、
それまでの大陸帝国から海洋帝国へと変わっていった。
・実に、モンゴル帝国は世界をつくり、世界史をつくったのである。
・モンゴルの征服戦争が非常な成功であった理由は、
抵抗する者を決して許さず、最後の一人まで殺し尽くすが、
抵抗せず降伏する者は、
人頭税を払わせるだけで助命し、自治を許す、
という分かりやすい原則を実行したことなり。
・その他のモンゴル征服戦争の成功要因は、以下の通り。
1、モンゴル人は、前もって情報をよく集め、
地理を調査し、綿密な作戦予定表をつくって、
それに従って行動したこと。
2、作戦中は規律が徹底して、指揮官の命令を厳守したこと。
3、兵士は、それぞれ乗馬のほかに替え馬を用意して、
機動力が大きかったこと。
・インドを創ったのが、モンゴル人のムガル帝国であり、
トルコのもとになったオスマン帝国は、
アナトリアのモンゴル駐屯軍が発展したものなり。
・ロシアは、ジョチ家の白いオルドの後継者である。
・チンギス・ハーンのモンゴル帝国は、
東は朝鮮半島・中国から、西は地中海に至るまでの
ほとんどすべての国々を産み出した。
・まことに、チンギス・ハーンは、世界を創ったのである。
★コメント
あらためて、世界史の壮大さを知った。