◆畠山武『昭和史の怪物たち。久原房之助』を読み解く
★要旨
・久原房之助は、「銅山王」から政界に転じ、
商才を政略に活用して、時流に乗り、
その果て政党解消のエンジンとなったのである。
・久原房之助は、先読みの怪物なり。
・久原は、1903年、藤田組を退社し、
独立して茨城の赤沢銅山を買収し、
これを日立銅山と改称した。
・1912年に、久原鉱業を設立して、
社長に就任、日本全土だけでなく、
朝鮮半島を含めて多くの鉱山を買収して、手を広げた。
・久原は、衆議院選挙に郷里の山口一区から立候補し、当選した。
59歳の遅い登場であった。
・満洲への米資本の導入で、日米の衝突を避けよう、
との久原の算段であったが、これがダメとなったとき、
久原は、「日米の衝突は避けられない。
日米戦争になったら日本は負けるぞ」
と語った。
・その先読みは、当たった。
日米戦争が始まったとき、
久原は政界引退を決意した。
・久原は、1965年、
東京・芝白金の大邸宅で生涯を閉じた。
95歳の長寿の人生である。
・昭和の動乱は、この超怪物を生んだ。
★コメント
昭和には、キャラの濃い大物がたくさんいたようだ。