◆奥山俊宏『ルポ。タックスヘイブン』を読み解く



サブタイトル→「秘密文書が暴く、税逃れのリアル」



★要旨



・2017年3月、ドイツ・ミュンヘン。

南ドイツ新聞本社に、ICIJと提携する世界各国の

100人以上の記者が集結した。

文書を入手したのは、南ドイツ新聞の2人の記者だった。



・パナマ文書に続いて、

再び大量の流出データを入手した2人が会議の主役だった。



・文書データの流出元は複数あるが、

その中心が「アップルビー」という名前の法律事務所。

英領バミューダ諸島で設立され、世界10ヶ所にオフィスを持つ。



・巨大データベースで「宝探し」。



・取材の基本は、流出した文書をひたすら読み込むことだった。



・文書の読み込み作業は、記者にとって魅力的な宝探しだった。

いい資料が見つかると、その関連文書をさらに探して、

膨大なファイルを一つずつ開いていく。



・「グレンコア・ルーム」

そう呼ばれる小部屋が、法律事務所「アップルビー」の

フロア見取り図に載っている。



・グレンコアというのは、

ブルキナファソのペルコア村にある、

ナントウ鉱山を所有してきたスイスの大企業の名前である。

世界最大の資源商社だ。



・グレンコアが供給する亜鉛やコバルトは、

スマホや自動車など身近な製品に幅広く使われ、

2016年には、1700億ドル以上を売り上げた。



・アップルビーにとって、

グレンコアは重要顧客リストの最上位にあたる。

そんな「お得意様」のために用意されたのが、グレンコア・ルームだった。



・パラダイス文書によれば、

従業員が一人もいないこの部屋が、

書類上では膨大な額を稼いだことになっていた。

グレンコアは世界各地で上げた利益を

このペーパーカンパニーに集めていたのだ。



・アフリカの富が収奪される仕組みは、税逃れだけではない。

海外企業がアフリカ諸国の権力者と結託することで、

豊富な天然資源から得られる利益を独占する。

それもまた、

発展途上国で多く見られる収奪のかたちである。



・賄賂などの「裏取引」には、

その資金の流れを隠すため、

タックスヘイブンに設立した会社が使われることは多い。




★コメント

やはり、世の中には、知らない世界が広がっている。

深堀したい。