◆奥山真司、訳『デンジャー・ゾーン。迫る中国との衝突』を読み解く



著者→ハル・ブランズ

翻訳→奥山真司さん



★要旨



・1990年代には台湾は中国に対して地理的・技術的に有利であったため、

実質的に征服不可能だった。

台湾海峡は台風や高波のおかげで危険な海域で、島そのものが自然の要塞となっている。



・ところがそれ以降の中国は、国防費の支出で台湾を25対1の額で圧倒するようになった。

新しい軍艦、戦闘機、ミサイル、そして何千人もの兵士を運ぶことが可能な水陸両用艦などを次々と生産した。



・中国の兵力規模は、今や台湾の10倍である。



・中国の長射程の防空システムは、台湾上空の航空機さえ撃墜できる。



・中国のサイバーおよび対衛星能力は、アメリカ軍の重要なセンサーや人工衛星を機能不全に陥れることで、

同軍の耳と目と口をきけなくしてしまう恐れがある。



・台湾には、その遅れを取り戻す準備ができていない。



・台湾は兵站部隊を削減しており、

これによって戦闘部隊への補給や基本的な整備を日常的に怠っている状態だ。



・要するに、中国は1914年のドイツや、1941年の日本のように、

軍事面では有利だが有限のチャンスの窓を持っているということだ。



・アメリカ軍は実に多くの点で、まだロナルド・レーガンが築いた軍隊なのだ。

とりわけアメリカ海軍と空軍の近代化は何十年にもわたって先送りにされてきた。

現在その問題は深刻なものとなっている。



・習近平は「台湾の解放」に自分の正統性(レジティマシー)を賭けている。

2017年に彼は台湾の統一が「中華民族の偉大な若返りを実現するための必然的な要件」であると発表した。



・彼らは早い段階、つまり台湾とアメリカ軍が反撃してくる前に、

激しく攻撃することが勝利への一番の近道であることを知っている。



・だからこそ中国の軍事ドクトリンでは、

真珠湾攻撃のような形で相手を素早く武装解除することを目指しているのだ。



・最も可能性の高い戦争開始の形は、台湾、沖縄やグアムのアメリカ軍基地、

日本を母港とするアメリカの空母打撃群の上に、

陸上・空中から発射された中国のミサイル数千発が降り注いで始まる、というものだ。



・「恐ろしい2020年代」は厄介な10年間となりそうだ。



・なぜなら中国が厄介な地政学的な分岐点、

衰退を避けるために大胆に行動することが可能であり、

またそうすべき時点、に差しかかっているからだ。



★コメント

深刻な世界情勢になってきた。

いまは、日本も有事なり。

膨大な学びを通して、備えたい。


 

 

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