◆北村滋監修『安倍晋三・回顧録』を読み解く(その2)
★要旨
・「首相は常に最前線で風を受けている。
逆風を受けても、前へ進んでいくんだ、という強い気持ちが必要です」
→安倍が語る、宰相としての心構えだ。
通算3188日間の首相在任中、安全保障関連法など難題を成就させてきた。
・歴代最長政権を実現できた最大の要因は何か。
安倍はこう答えている。
「第一次内閣で失敗を経験したことでしょう」
安倍は、第一次内閣の1年間を、
「普通の政治家人生の15年分にあたるんじゃないか」
と振り返った。
・安倍は官房長官を務めた経験から、
当初は政権運営を楽観していたという。
当時の考えを「うぬぼれだった」と自省し、
「経済政策が弱かった」
「党内に配慮や目配りができなかった」
と反省点を分析した。
・安倍は、総裁選の勝利には麻生太郎の支持が不可欠と考えていた。
2012年8月下旬の深夜、
安倍は麻生の行きつけのバーに足を運び、
「麻生さんの支持が得られなければ出馬しません」
と伝えた。
・「かつて厳しい体験をした官邸チームで、
もう一度、政治を動かしてみよう」
→2012年12月16日。
自民党が圧勝した衆院選投開票日の夜、
第一次内閣で首相秘書官だった北村滋は、
安倍から都内のホテルの一室に呼ばれた。
最新の内外情勢のレクチャーの依頼だった。
→北村は、
「すでに首相官邸内の体制を固めていたのだろう」
と推し量る。
・首相に返り咲いた安倍は、
政務の首相秘書官に、今井尚哉を起用。
北村を内閣情報官、長谷川栄一を首相補佐官に充てた。
・首相官邸の中枢スタッフに3人を迎えたのは、
「必ずあの時の失敗、挫折の経験をいかしてくれるだろう」
との期待があったからだ。
・安倍は、12月26日に首相官邸入りした際、
「同じ過ちは繰り返さない」
と誓った。
再結成された「官邸チーム」が第一次内閣の教訓を踏まえ、
最優先課題として最初に掲げたのは、
「経済再生」だった。
・集団的自衛権の憲法解釈変更などの難題に
取り組むためにも、政権基盤を固める必要があった。
★コメント
やはり政治の舞台裏の出来事は、学ぶ点が多い。
ビジネスにも人生にも参考にしたい。
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