◆奥山真司「米国防関係者、必読の書」を読み解く
副題→日本への警告とは。
★要旨
・中国は今後どのような行動をとるようになるのかについて、
アメリカではいくつかの想定すべき「モデル」のようなものが
議論されるようになったことを
ご存じの方もいるかもしれない。
・中国関連の文献があるなかで、
今回ご紹介したいのは、2023年初頭発売の最新刊
『デンジャー・ゾーン』である。
・若い学者たちによる共著で、
原著は2022年8月にアメリカのノートン社から刊行され、
すでにワシントン周辺の国防関係者界隈では
必読書となっている、話題の書だ。
・この本は米中関係をテーマとしただけでなく、
とりわけ「中国はどうなるのか」という点についての
最新のモデルを提唱し、それに対してアメリカはどうすべきか、
という明確な大戦略を提示したことで
発売当初から大きな話題になった。
・直近の「デンジャー・ゾーン」においては、
アメリカも中国との兵器バランスの劣位を克服するためには
「戦略的マクガイバー主義」が必要としている。
・『冒険野郎マクガイバー』というテレビドラマの名前を使ったものだが、
要するにこのドラマの器用な主人公のように、
私たちがいま持っている、
あるいはすぐに集められそうな道具(兵器)を使って、
工夫して事態の対処に当たるべきだと提唱する。
・アメリカは引き続き中国という、
「基準となる脅威」に対応していくということになるが、
その際にカギを握るのが同盟国である日本である。
・日本が中国に対して仕掛けるのは、
英国や米国にようなシーパワーによる封じ込め戦略をモデルとしたものだ。
・憲法の縛りがあるため、
あからさまに軍事的な介入政策や、
「内乱を仕掛ける」のような刺激の強いものはできない。
そこで活用するのが防衛交流であり、
それを中国の周辺で行うのだ。
・本書のなかでも幾度となく繰り返して質問される、
「中国が覇権を握った世界で生きていきたいのか」
というものだ。
★コメント
国民全体で考えたい課題であり、
すぐに実行したいテーマである。
考えている時間はもう過ぎていて、行動する段階にきている。