◆西野朗『勝利のルーティン』を読み解く
(常勝軍団を作る、「習慣化」のチームマネジメント)
★要旨
・サッカー監督の仕事をあえてひと口で言えば、
確固たる「ビジョン」を持ち、
チームの「スタイル」を構築することだ。
私はそう思っている。
・選手たちの日常を観察する。
・個々の選手の性格や考えを知るには、
日常生活での選手の動きやクセ、
ペースを把握することが必要だ。
・食事のときには必ず、
全選手が視野に入る位置のテーブルにつくようにしていた。
選手がいつも何を食べているのか、
誰と話しているのか。
それを注意深く見る。
・ときに、食が細いなと思う選手がいたら、
「ちゃんと食べているのか」
と聞くこともあった。
・戦いは練習から始まっている。
日々の練習に対する姿勢は、
選手起用の大きな判断基準になる。
・練習に遅刻してきた選手に、
そのままシャワーだけ浴びさせて
帰らせたこともある。
時間を守ることはプロサッカー選手以前に
社会人として当然の義務だし、
目標を持ったプロスポーツ世界では当たり前のことだ。
・また、きちんと準備しないで練習に入れば、
怪我につながりやすい。
練習から戦いは始まっている。
いくら才能があっても練習をないがしろにして、
試合に出ることなど、ありえない。
・プライベートでは、選手と距離を置く。
・選手とは、極力プライベートでは
交わらないようにしている。
なぜか。
選手をフラットな視線で見られなくなるからだ。
個人的な付き合いをすれば、
どうしても情が湧いてくる。
それが、選手起用に影響を及ぼすようになってはいけない。
・大阪にいたときは、
選手が住んでいない地域を選んで住んでいた。
なるべく会わないように。
不健全だなと思いながらも、
日課のジョギングも見つからないように
夜にするようになった。
・「継続力」がスタイルを築く。
・サッカー監督には、ビジョンが必要だ。
ただ、それは決して「絵に描いた餅」であってはいけない。
まずは、実現可能な目標設定をする。
・それを目指して、
毎日のトレーニングや、生活のリズムを習慣化する。
その単調な繰り返しの中で、
選手たちは個々に考えながら、
ひとつひとつのクオリティを上げていく。
・その意識が私と選手たちで共有できてさえいれば、
ときにチームのスタイルが変化したとしても
かまわない。
気がつけば、目標を達成していた、
ということになっているはずだからだ。
・強いチーム作りの根源は、
選手に責任を押し付けるのではなく、
監督自らの成長と変化にある。
★コメント
長年の監督経験からくる
西野さんの言葉は、
なにかを気づかされる。
基本の大切さを知った。