◆グレンコ・アンドリー『NATOの教訓』を読み解く
副題→世界最強の軍事同盟と日本が手を結んだら。
★要旨
・NATO加盟国の本土は70年間、
一度も武力攻撃を受けたことがない。
世界史において、これは奇跡のような出来事である。
・国連は、国際紛争の平和的な解決や防止などの役割を全く果たしていない。
加盟国には、
根本的な価値観が異なる国も存在するからだ。
・一方、NATOは自由や人権など共通の価値観を持つ国のみが加盟し、
重要な決定は全会一致が原則だ。
加盟国の対立が生じにくいNATOは、
国連よりもはるかに機能している。
・1970年代の「デタントの時代」は、
ソ連のアフガニスタン侵攻で終わる。
・デタントの失敗から学べる教訓は、
覇権を目指す独裁共産主義体制は、
自由や人権尊重に基づく西側の価値観とは相容れず、
いずれ衝突が起きる、ということだ。
・北大西洋条約では、加盟国への武力攻撃は、
全加盟国に対する攻撃と見なされ、全員が反撃を行う。
・この「軍事大国」による報復の恐れが抑止力となり、
加盟国の平和が維持されている。
・緊張緩和の時代でもNATOは軍縮を行わなかった。
平和を維持するために、
抑止力としての軍事力が必要だと理解していたからだ。
・ロシアは、バルト三国に侵略したくてもできない。
バルト三国がNATO加盟国だからである。
・バルト三国と対照的なのは、ウクライナとジョージアである。
・バルト三国よりははるかに大きいウクライナは侵略され、
バルト三国は侵略されていない。
その相違はまさに、
「NATOに加盟しているかどうか」
という一点だけである。
★コメント
今一度、ヨーロッパの歴史を学びなおしたい。
◆まぐまぐメルマガ『国際インテリジェンス機密ファイル』ご案内。
ご登録はこちら。
http://www.mag2.com/m/0000258752.html